韓国「BTS」が米国ファンを熱狂させる秘密 今までのK-POPグループと何が違うのか

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ところで、K-POPグループについて話していると、頻繁に「aegyo」という言葉に出くわす。これは、韓国語で、きどってかわいい行動を意味するもので、性別は限定されていない。K-POPのパフォーマンスでは、ハートを作ったり、子どものような声をあげたり、一般的に見てとにかく「かわいい」行動をするのがaegyoだ。K-POPのボーイズバンドでは、だいたいグループの最年少メンバーや、性格が自然に似合うメンバーがこのaegyoスタイルを演じている。

K-POPグループが高度な歌唱やダンス訓練を受けているというのはよく知られているが、一部のアーティストはaegyoの特別レッスンも受けているとされる。レッスンを受けているかいないかはともかく、ウェブサイトのsoompiはBTSを最もaegyoな男性K-POPアイドルトップ10リストで評価している。

韓国政府も全力でサポート

アナログ盤のレコードとラジオが主流だった時代のアメリカでは、シングルがヒットすることが、アーティストの成否を図る1つの基準だった。が、トラックだけでなく、アーティストやジャンルまで簡単にスキップしたり、またいだりできるデジタル時代においては、アルバムこそがアーティストの世界観にファンを引き込む役割を担っている。

長い目で応援してくれるファンを獲得することによって、アーティストたちはかつて求められていた「大ヒット」の型に合わない音楽も自由に作れるようになり、そうしたアルバムをリリースすることで、ファンとの関係をより密にすることができる。

ただし、こうしたスタンスに移行することが、必ずしもビジネス的にプラスになるとは限らない。今の音楽業界を見渡せばわかると思うが、ツアーや商品販売が収益の源泉となっている。これはK-POPも例外ではない。

こうした中、韓国政府がK-POPなど韓国芸能の世界的なプロモーションに力を入れていることはすでによく知られていることだ。文化省は、「アジアのティーンエイジャーや若者の間で人気があるサブカルチャーに成長し、韓国のアイドルグループや歌手のファッションやスタイルへの関心を集めるきっかけとなった」として、K-POPに従事する部門を設立している。

英BBCによるドキュメンタリー「K-POPは韓国の秘密兵器か?」には同部門のトップが登場。「K-POPを含めた韓流文化の波は世界的な注目を浴びており、これは国にとっても文化的なメリットがあるため、国も全力でサポートしている」と話している。

こうした国の支援に加え、徹底した歌唱やダンス、英語や日本語など多言語で歌い、話せるようなトレーニングを受けていることがK-POPグループの強みだろう(ちなみに、前述のBBCのドキュメンタリーでは、BTSはコンサートのために1日15時間近くリハーサルをすることも明かされている)。国ぐるみのこうした取り組みが、韓国のみならず、アジアや欧米でも支持を得られるアーティストの育成につながっている。

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