パナ津賀社長が考える35事業部制のさばき方 「未知なる世界に中のリソースでは不十分」

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巨大企業パナソニックはどこへ向かうのか(撮影:ヒラオカスタジオ)
家電事業の巨額損失で一敗地にまみれた後、リストラで再生の道筋をつけたパナソニック。2018年3月に創業100周年を迎える中、日本の電機産業を代表する従業員27万人の巨大企業はどこへ向かうのか。パナソニックの津賀一宏社長を直撃した。

次世代へのバトンタッチをつねに念頭に置く

長田 貴仁(以下、長田):経営学の先行研究によれば、「短期で社長が交代する企業よりも、トップの在任期間が10年以上の企業のほうが業績は良い」という結果が出ています。この点について、会長になってもCEO(最高経営責任者)という職責に就き、経営権を行使するというコーポレートガバナンス(企業統治)も含めて、どうお考えになりますか?(ちなみに、ソニーは2月2日、現社長兼CEOである平井一夫氏が社長就任6年目にして会長に退き、現副社長兼CFOの吉田憲一郎氏が社長兼CEOに就任する4月1日付の人事を発表した)。

津賀一宏(以下、津賀):その研究成果は「業績も良かったから、結果的に10年以上も社長を続けた」と解釈できます。パナソニックでは、社長の任期は決まっているようで決まっていません。業績が良ければ、私が10年以上務めるということもありうるかもしれない。つまり、結果次第ということになるでしょう。

一方、当社は、2018年3月に創業100周年を迎えますので、次世代にバトンタッチしていくことをつねに念頭に置いておかなくてはなりません。激しい社会の変化に対してトップの役割とは何なのかを見ながらバトンタッチしていきたいという気持ちが強い。私を例にしていえば、自動車関連市場の変化にどう対応していくべきかと、社長になる前の10年間考え続けてきたので、先手を打てたのだと思っています。

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