カーナビ縮小で大苦戦する、JVCとパイオニア 進化するスマホで破壊される、日本の得意分野

✎ 1〜 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 最新
拡大
縮小

パイオニアもカーナビが足を引っ張る

次に、パイオニアの2013年4~6月の決算内容を分析していきます。先ほどと同じように、損益計算書(7ページから見ていきましょう。

「売上高」は1114億円から1092億円まで減少。一方、「売上原価」は874億円から930億円まで増えてしまったため、「売上総利益」は240億円から162億円までの減少となりました。

それから「販管費」はほぼ横ばいですから、「営業利益」は売上総利益の減少分がそのまま響き、6億円の黒字から75億円の赤字となりました。

この理由のひとつは、カーナビの売り上げが減少したことです。JVCの分析でも触れましたが、カーナビ製品は利益に占める割合の高い商品ですから、この売り上げが減少すると、全体の原価率が上がってしまうのです(下表)。

特に、国内での売り上げが減少していることにも注目です。カーエレクトロニクス事業の国内外別の売り上げを調べますと、国内は16.2%減の343億円、海外は11.6%増の447億円となりました。

円安などの効果で欧州や北米での売り上げが増加したのに対し、国内ではスマートフォン普及の影響によって、市況が低迷しているのです。

もうひとつは、JVCのところでも説明したように、音響市場の縮小です。パイオニアはJVCと同様に音響機器事業でも有名な会社ですが、こちらもやはり減収減益となりました。

次ページ業績悪化が続くパイオニア
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT