就活生が「いま抱いている3大不安」の解消法 「出遅れ、書類落ち…」すぐに復活する方法

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対策2:認知の歪みを理解する

次に、前出のBelief(信念・思考)に関連して、「認知の歪み」を紹介します。

就活生が陥りがちな認知の歪みは、「過度な一般化」「べき思考」「どうせ思考」「読唇」が挙げられます。以下、簡単にお伝えします。

就活生が陥りがちな認知の歪み「過度な一般化」とは、わずかな事実を取り上げ、それが一般論であるかのように、非論理的に結論づけるというものです。就活生は「すでに2社のインターン選考に落ちてしまった。だから、もうどこからも内定を取れないだろう」などと考えてしまいがちです。これがどれほど非論理的かは、落ち着いて考えれば明らかでしょう。

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「べき思考」とは、自分や他人の言動を「こうあらねばならない」「こうすべきだ」と決めつけてしまうことです。「志望理由は、自己の経験と紐づけなければならない」「就活生は10社以上OB訪問をしなければならない」などが典型です。1000人以上の学生の相談を受けてきた経験から断言しますが、それぞれの人によってやるべきことは異なります。「誰でも、どんな状況でも、こうしなければならない」などということはあり得ないのです。

「どうせ思考」とは、実際に何かやってみる以前の段階で、根拠なく自分や人、物事の可能性を限定してしまうことです。「どうせ自分はあの企業には受からない」「どうせ自分はあの先輩のようにうまくはいかない」などがよくあるパターンです。実際には、神様でもないかぎり、受けてみないことには「受かる・受からない」などわかりません

「読唇」とは、相手が何か言ったわけでもしたわけでもないのに、相手の気持ちを勝手に悪く推測することです。「インターンシップで自分はダメと烙印を押された」「人事の人は私をコミュニケーション力がない奴だと思っている」などというケースです。実際には、そんなことは、これっぽっちも思っていないにもかかわらず。

認知の歪みがいかに自分を不安にしているかに気づく

私は、グループワーク講座で毎年、こうした傾向のある・なしを学生に尋ねています。すると人によって思い当たる点は違っているものの、多くの学生が「ある、ある」と答えます。こういった傾向を「ある、ある」と思えれば、実際にこうした認知の歪みが、いかに自分を不安やストレスにさらしているかに気づけるのです。

就活には不安やストレスがつきものですが、「思考の癖」を知ることでうまく付き合うことができます。ぜひ、就活というチャンスを利用して、不安やストレスとの「上手な付き合い方」を会得してください。実際に社会に出た際には、ストレスコントロール法はとても大切な技術なのです。

廣瀬 泰幸 オールウェイズ代表取締役

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ひろせ やすゆき / Yasuyuki Hirose

岐阜県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社リクルートに入社。15年の勤務期間中に大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、1部上場企業の人事部採用責任者として年間500人の採用と人材育成を行う。2003年、有限会社ヒロウェイ設立。2004年より、株式会社リンクアンドモチベーションの講師として、主として大企業の1万人を超える社員に教育研修を実施。2010年、株式会社オールウェイズ設立。以降、1000人を超える学生に就活コーチングを実施。twitterアカウントは@tender_coach

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