【産業天気図・業種別業績予想集計】『会社四季報』2008年4集秋号

『会社四季報』2008年4集・秋号(08年9月16日発売)の最新データを基にした独自集計によれば、今09年3月期の予想営業利益(金融除く「全産業」ベース)は前08年3月期比7.1減%と前号(08年6月16日発売)の同4.0%減から減益幅が拡大した。金融を含めた予想営業利益も同7.1%減少と前号の同3.8%減から減益幅が膨らむ見通しとなった。

米大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻など、金融危機によって日本企業を囲む環境は前号時にも増して厳しくなっている。今09年3月期は「原材料高」「円高」が企業業績の重しとなっているが、ここへきて「景気減速」による需要低迷がさらに深刻度を増してきた。原材料高は原油価格が一時、1バレル90ドル台にまで下落したこともあって若干落ち着いてきた感もあるが、先行きは依然不透明だ。円高に関しても、一時は企業側の想定レートより、かなり円安に推移していたが、米国発金融危機の再燃によって、再びドル安へ振れてきている。

こうした中、今号では銀行、保険を除く31業種中、22業種が今09年3月期の営業利益見通しを下方修正、なかでも「電気・ガス」は前号までの黒字予想から一転、赤字転落する見通しに変わった(前号では前期比25.6%減)。また、「化学」は前号では前期比1.1%の増益予想となっていたが、今号では同8.2%減益に減額。「電気機器」
も前号の同1.5%増益から今号は同1.7%減益とわずからながら減益に転じることとなる。減益幅の拡大で目立つところでは、「証券」が同50.4%減と前号(同12.5%減)より大幅に拡大するほか、「繊維製品」(前号同6.4%減→今号同22.4減)などが挙げられる。また、増益予想業種でも「金属製品」は今号予想が同9.1%増と前号(同16.8%)より後退する公算だ。

一方で、前号から上方修正した業種では、「海運」が前号の同3.1%減から今号では同6.6%増と増益見通しに変更。また、「鉱業」(前号同6.1%増→今号同36.9%増)や「その他製品」(前号同9.0%増→今号同21.1%増)は前号から大幅アップとなった。

日増しに景況感が悪化する中で、明るい材料を探すのはなかなか困難だが、中国やロシアといった新興国では依然需要は旺盛だ。また、規模の拡大や新市場開拓などに向けて、海外企業との提携や買収を行うケースも増えている。企業にとっては既存需要の深耕だけでなく、新規需要開拓への努力が、より一層求められることになりそうだ。

業種別業績予想集計

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
あのころ銀行は<br>無茶苦茶だった

『住友銀行秘史』の著者で元・住銀取締役の國重惇史、元イトマン顧問弁護士の河合弘之、元長銀取締役の箭内昇。平成の金融バブルの最中に起きたイトマン事件の真相と教訓を語る。