プレゼンでコケる、「ダメなパワポ」の3大特徴 マッキンゼーで学んだ「資料作成」の基本

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また、チャートで使用するフォントにもこだわりましょう。

脳科学者の研究によると、デザインの視認性とそれによって引き起こされる感情には関連があり、一画面に2種類以上あるいは3サイズ以上の書体があると、それ以下のデザインと比較して感情関与が顕著に阻害されるそうです。無秩序に多くのフォント(書体)と文字サイズを混合して使用しないことです。

明朝体ではハネ、英語ではTimesなどの書体にある、文字の端の小さな飾りを「セリフ」と言いますが、歴史を感じさせ、格調高い本やレポートには向いています。しかしながら、プレゼンテーションに使用するときは古臭い印象を与えます。

ゴシック体やサンセリフ体などセリフがなく、癖の少ない、現代的な書体を1つか2つ使用しましょう。似ていながら微妙に印象が異なる書体を混在させることは慎みましょう。個人的には、書体の「Meiryo」は見た目だけでなくスペース効率が良いので、文章をコンパクトにまとめることができますから、お勧めします。

ダメな資料②――チャートのタイトルが不適切

プレゼンの資料作成には「1チャート1メッセージ」という原則があります。1枚のチャートには一番主張したいメッセージを1つに絞り込み、それをタイトルにするのです。

言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、意外にこれができていない人が多いのです。

たとえばあなたが飲料メーカーの社員だとします。そして、カテキンやアミノ酸を配合した機能性飲料市場が伸びていることを上層部にプレゼンで訴えたい場合、棒グラフなどでその推移を示すことがあると思います。その際に、その棒グラフが書かれたチャートのタイトルに「機能性飲料市場の推移」と書いたりしていないでしょうか?

ただの分析結果になったチャート

「機能性飲料市場の推移」は「メッセージ」ではありません。「分析名」です。これではグラフの解釈を聞き手にゆだねることになり、場合によっては「想像していたよりも伸びていないのでは」などと解釈されかねません。

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