日経平均は小反発、利益確定売りで伸び悩む 来週の「日欧中央銀行イベント待ち」のムード

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 1月19日、東京株式市場で日経平均は3日ぶりに小反発した。米国株は小安かったが、日本株は前日に下落した反動から買いが先行。一時100円を超す上昇となったが、取引時間中にドル安・円高が進行したことが重しとなった。小口の利益確定売りも加わり後場は一進一退の展開だった。写真は都内で2013年12月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに小反発した。米国株は小安かったが、日本株は前日に下落した反動から買いが先行。一時100円を超す上昇となったが、取引時間中にドル安・円高が進行したことが重しとなった。小口の利益確定売りも加わり後場は一進一退の展開だった。

一方、米長期金利の上昇を背景にメガバンクが堅調に推移し、TOPIXは終日プラス圏を維持した。東証1部の売買代金は前日比25%減。「来週の日欧中銀イベント待ちのムードとなった」(ちばぎんアセットマネジメント調査部長・奥村義弘氏)という。

日本株は買い一巡後は伸び悩む展開となったが、下値の堅さも印象付けた。ドル/円は110円台後半と弱含んだが、円高進行が一服すると日本株に押し目買いが入った。

藍沢証券・投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏は「基本的には年初の上昇に対し日柄調整が続いている」と指摘。一方で「米国の企業決算ではトップラインが市場予想を上振れてたところもある。景気の強さが示されており、日本企業の決算期待も強める格好となっている」と、業績期待が日本株を下支えしているとみている。

業種別ではその他製品が値上がり率トップ。任天堂<7974.T>の上昇が寄与した。33業種中、値下がり業種はゴム製品、精密機器、電気・ガスの3業種にとどまった。

任天堂の売買代金は東証1部銘柄でトップとなり、東証1部全体の約9%を占めた。段ボールの工作キットを活用した「ニンテンドースイッチ」向け新作ソフトへの期待で買われ4%を超す上昇。昨年来高値を更新した。

個別銘柄ではこのほか、GMOインターネット<9449.T>が反発。仮想通貨関連株として位置づけられる同社株は直近のビットコイン<BTC=BTSP>の急落が嫌気されてきたが、香港を拠点とするヘッジファンドのオアシス・マネジメント・カンパニーによる株主提案を受け、買収防衛策の廃止やガバナンス強化による企業価値の向上を期待した買いが入った。

半面、ベステラ<1433.T>が大幅安。同社は18日、2018年1月期の通期業績予想を下方修正したと発表した。プラント解体工事案件の大型化などに伴い、発注者の発注時期と同社の着工が遅れたことが響いた。

東証1部の騰落数は、値上がり1392銘柄に対し、値下がりが574銘柄、変わらずが98銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      23808.06 +44.69

寄り付き    23854.11

安値/高値   23735.61─23872.69

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1889.74 +12.88

寄り付き     1885.15

安値/高値    1882.26─1890.41

 

東証出来高(万株) 139234

東証売買代金(億円) 26798.47

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