管理職と現場の「二刀流」の厳しすぎる実態 「代打、俺」が多くの人を疲弊させている

✎ 1〜 ✎ 157 ✎ 158 ✎ 159 ✎ 最新
拡大
縮小
管理職と現場社員の兼務は負担も少なくない(写真:Elnur / PIXTA)

「野球界の二刀流」にも2つある

この連載の一覧はこちら

北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が投手と打者の「二刀流」としてメジャーリーグに移籍することになり、全米でも注目を浴びているようです。

エース投手で四番打者というのは少年野球や高校野球ではよくあるパターンですが、プロの世界では不可能だと米国でも思われていました。その不可能を世界最高峰のプロリーグで可能にしようと挑戦する選手だから、海外でも注目されるのでしょう。われわれもその活躍に注目していきたいものです。

大谷選手は(甲子園を目指すような)若い野球選手の目指すプレースタイルをも変えつつあるようです。将来、プロ野球選手になるなら「二刀流で挑戦したいです」と語る、高校球児のコメントがニュースをかざるようになりました。メジャーで大谷選手が成功すれば、二刀流はますます増えることでしょう。

ただ、野球界の二刀流は、投手と野手の組み合わせでなければ、以前から行われてきました。それは野手と投手ではなく、監督と選手。最近であれば中日の谷繁元信監督が捕手を兼ねたパターンです。古くは南海ホークス時代の野村克也監督。あるいはヤクルトスワローズの古田敦也氏。監督の役割を担いながら、試合の大事な場面で、

「代打、俺」

と指名するのが話題になりました。ただ、振り返ると監督と選手の二刀流で成功例はほとんどありません。

次ページ古田氏のケース
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT