住宅ローンの「団信」が備える最強保険の利点 がんなど3大疾病への保障は好バランスだ

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執筆時点で三菱東京UFJ銀行の金利は31~35年の固定で1.43%。みずほ銀行より金利が0.195%高めに設定されているが、特約を付けた場合の金利差は上記の優遇により0.095%に縮小される。

3大疾病保障特約の特徴

特約の中身も両行とフラット35でそれぞれ異なる。

がんの保障についてはみずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・フラット35といずれもほぼ同じ条件だが、脳卒中・急性心筋梗塞はみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は以下のとおりだ。

・みずほ銀行
医師の診療をうけた日から60日以上所定の状態が継続したと、医師に診断された場合、または、急性心筋梗塞、脳卒中を発病し、その疾病の治療を直接の目的として、所定の病院または診療所において所定の手術を受けた場合(2015年12月1日以降の手術日が対象)
・三菱東京UFJ銀行
脳卒中・急性心筋梗塞を発病し、治療を目的として入院した場合。
※いずれも執筆時点、各社HPの説明より

みずほ銀行は「所定の症状」が60日継続した場合とある。これは「60日ルール」と呼ばれる3大疾病保障保険では定番の条件で、病気になっただけで保険金は貰えない。一方、三菱東京UFJ銀行では入院で支払うとあるため、条件が大きく違う。

「60日以上の『所定の症状』ってどういう状況?」ということになるが、みずほ銀行の場合は急性心筋梗塞ならば「その疾病により初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断された場合」、脳卒中ならば「初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、まひ等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断された場合」と説明されている。

いずれも60日ルールとして一般的な内容だが、入院が条件となっている三菱東京UFJ銀行のほうが明らかにハードルは低い。ただ、みずほ銀行やフラット35の条件が厳しいかというとそうではなく、60日ルールに加えて「所定の手術」も条件となっているため、手術は条件となっていない3大疾病保障保険よりも条件は緩い。つまり、貰いやすいということになる。

対象となる病名だけを見るとどれも同じように見えてしまうが、病気ごとに条件が違い、その条件も入院、所定の手術、所定の症状が60日以上続く、とハードルの高さも異なる。

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