今年の目標がいつも達成できない人の共通点 そもそも挑む山が高すぎませんか?

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また、「どうせできないよね」から、「どうすればできるかな?」という考え方をするようになる。このように、達成を前提とした意識や考え方に切り替わり、動ける自分に変わっていく。目標を下げ、100%やり切る効果は、自分に想像以上の自信と行動力を与えてくれるのだ。

未達成グセから脱したAさんのケース

達成経験を増やしていくことで、面白いように成果が出るようになる。

昨年春に入社したばかりの営業Aさんは、半年ほど単月100万円の売り上げノルマをなかなか達成できなかった。未達成グセがしみついており、「今月は4割ぐらい達成できればいいほうだと思います」などと口走ることもしばしば。そのうち営業に行くのもイヤがるようになってしまった

この状況から脱するために、「単月100万円の売り上げ」という目標をいったん脇に置いて、こんな目標を持ってもらった。「200件のアポリストを作る」という目標だ。毎日数件のお客様にしかアプローチしていなかったAさんは当初イヤイヤ取り組んでいたが、2日ほどでリストを作成することができた。

はじめて目標を達成できたAさんに新たに、「1週間に10回お客様と会う」という目標に挑戦してもらった。こうして少しずつ、「やることのレベル」を上げていくことで、「できることのレベル」が上がっていく。

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やがて、多くのお客様の元に通えるようになっていき、明るい表情で営業に行くようになった。そのうち、お客様のほうから声をかけてもらえるようになり、次々とアポを取れるようになっていった。

何と半年後には、アポが止まらなくなり、提案が通る確率も一段と上がり、会社のノルマは楽勝でクリアできるようになったのだ。

あるときAさんに、「先月と一緒の数字でいいの?」と聞くと、「もっといきます!」とのこと。どのぐらいの数字を設定するのかを尋ねると、「200万円はいけますよ」と言い切った。

約束どおり、Aさんは200万円の目標を難なくクリア。目標を必死で追いかけていたAさんが、自分で高い目標を設定し、その数字を達成する状態へと進化したのだ。その後、250万円、300万円と数字を上げていき、最終的に500万円の目標を達成することになる。

ひとつの達成経験が自信を生み、次の達成経験につながっていく。目標を下げ、一歩踏み出す。これがすべての出発点になる。

福山 敦士 連続起業家/ビジネス教育研究家/香川オリーブガイナーズ球団代表取締役社長

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ふくやま あつし / Atsushi Fukuyama

1989年横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業。新卒でサイバーエージェントに入社後、1年目からグループ会社の起ち上げに参画。25歳でグループ会社の取締役に就任。営業本部長を兼任。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスを起ち上げ、28歳で東証一部上場企業の株式会社ショーケースにM&A。29歳で同社執行役員、30歳で取締役就任。2020年、営業支援会社のDORIRU(旧ギグセールス)をM&A。2023年、プロ野球独立リーグ香川オリーブガイナーズ球団をM&A、代表取締役社長に就任。慶應義塾高校、鎌倉学園高校で講師を務める。高校時代は甲子園ベスト8。著書累計13万部。3児のパパ。

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