デジタルファースト時代を勝ち抜く "インテリジェントオペレーション"×"デジタル"が切り拓く破壊的創造

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パネルディスカッション
組織全体でデジタルトランスフォーメーションを
加速させるには、何から始め、何を見極めるべきか?

藤森 義明
LIXILグループ相談役
元 LIXILグループ
取締役代表執行役社長
兼CEO

LIXILの藤森義明氏は、第4次産業革命で既存ビジネスは完全に壊される危機にあるとして「ビジネスモデル、働き方をどう変えるかが課題」と述べた。世界的に低迷する日本の生産性向上のためには、ロボット導入による省人化、過剰サービスや規制の見直しの必要を示唆。デジタルトランスフォーメーションは「会社レベルではトップダウンが必要だが、各部門の機能軸での変革なら大きな投資も伴わず、やりやすいはず」と指摘。

また、日本のデジタル・エンジニア数が米、中、印に比べて圧倒的に少ないことに触れ、大学教育による育成、給与体系の見直しや多様性のある企業文化による海外人材獲得の必要性に触れた。「変革実現は会社のすべての人が何をすべきかを考えなければならない。今、動かなければ、会社や職が失われるという危機意識が大事」と訴えた。

矢野 和男
日立製作所 理事
研究開発グループ技師長

AIを研究する日立製作所の矢野和男氏は「変化や多様性、リスクなどルール化できないことがたくさんある」として、ルールをすべて規定する従来のソフトウエアでは、今の時代に対応する難しさを指摘。

ブランコに乗ったロボットに接続した同社の人工知能「Hitachi AI Technology/H」が、振れ幅を大きくすることを指示すれば、試行錯誤して人より上手にこげるようになる過程のビデオを見せて「アウトカムを決め、コンピュータ上で限られたデータから学び尽くすアウトカム志向が重要」と語った。

また、人の究極のアウトカムである幸せを追求する取り組みにも言及。今の日本はルールを守ることに多くのエネルギーを費やしているとして発想の転換を求めた。従来は何十万行もあったプログラムが、ブランコのAIでは2千行で済むとして、あらゆる人がAIにかかわる可能性を示した。

スリバスタバCDOは、起業家のアイデアで、図面読み取り、見積もり作成を自動化して成功した電気配線工事会社の例に触れ、スタートアップと協力し、革新的考え方を取り込む重要性を強調。デジタルトランスフォーメーションを小さなプロジェクトの集合ととらえ「小規模なものをアジャイルに進めることが大きなジャーニーにつながる」と述べた。

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