日の丸食品メーカー、米国攻略の勝算 “先駆者"キッコーマンに学べ!

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菓子メーカーも北米市場を狙っている。菓子大手・明治にとっても、北米は主要な販売エリアだ。07年には、日本でのロングセラー菓子「きのこの山」を「CHOCOROOMS」(CHOCO+MUSHROOMS(マッシュルーム))の名で発売。10年には、「きのこ」の兄弟ともいえる「たけのこの里」を「CHOCOCONES」(CHOCO+CONES(三角錐))として発売した。

北米仕様の「きのこの山」「たけのこの里」

「きのこの山」「たけのこの里」は、日本の里山の風景を想起させるパッケージが特徴的な商品。ただ、北米ではそのニュアンスは伝わらない。日本風ののどかなパッケージから、赤や茶色を基調としたスタイリッシュなデザインに一新した。

「“きのこ”、“たけのこ”と紹介してきたが、これでは(北米の)お客さんに分からない。日本ではパッケージも浸透しているが、(そうした)背景のない場所に持っていくためには、別の意味づけが必要だった」と、明治・海外ユニット海外事業本部・海外菓子事業部の森田洋二部長は話す。

これまでは売り先もアジア人のマーケットが中心。「既に(「きのこ」「たけのこ」を)見たことがある人たちに売ってきた。これからは、日本の商品になじみのない欧米系の人々にも売っていく」(森田部長)。13年秋には新商品の発売も控えている。

食品安全に関する認証の取得が必須

“現地化”したのはパッケージだけではない。米国では、2010年ごろにウォルマートなど大手流通業者が、サプライヤーに対してGFSI(世界食品安全イニシアチブ)という団体が規格を承認した、食品安全のマネジメントシステムに関する認証の取得を要請している。日本で普及しているISO22000などの規格はGFSIが承認する規格に含まれておらず、SQFやFSSC22000といった別の認証を取得する必要がある。明治は第三者認証機関のテュフズードジャパンを通じて、GFSIの認証の一つであるSQFを2011年10月に取得した。

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