ジーンズメイト、「RIZAP流改革」の成否は? 看板一新や新PB投入で、既存店底上げに本腰

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RIZAPグループの傘下に入った今期は、赤と黒を基調としたデザインに看板を刷新した(記者撮影)

9期連続の最終赤字に沈んできたカジュアル衣料専門店・ジーンズメイトの回復が続いている。2017年の既存店売上高は3月度から7月度まで前年同月割れが続いたが、8月度以降は、おおむね前年同月比で10%超のプラスを維持。直近の2017年12月度は13.2%増となり、5カ月連続でプラスとなった。

牽引役は渋谷や新宿、池袋に立地する都心店だ。リュックなどの雑貨やトップスを中心にインバウンド需要が底堅く推移したほか、PB(プライベートブランド、自主企画商品)の売れ行きも好調だった。

RIZAP流の改革を断行

2017年8月にPBの新ブランド「mate(メイト)」を立ち上げた(撮影:今井康一)

ファーストリテイリングが展開するジーユーやドン・キホーテが販売する安価なジーンズにも押され、業績不振が続いていたジーンズメイト。転機が訪れたのは2017年2月のこと。パーソナルトレーニングジムを運営するRIZAP(ライザップ)グループがジーンズメイトを買収したのだ。

RIZAPグループの連結子会社となった今2018年3月期は、青色の角張った文字が特徴的だったロゴを、赤と黒を基調としたデザインに一新。手薄だった女性客にも訪れてもらえるよう、商品陳列の見直しも進めた。退店が決まっている一部店舗を除き、看板の付け替えはほぼ完了しているという。

さらにファーストリテイリング出身者の指揮の下、2017年8月にはPBの新ブランド「mate(メイト)」を立ち上げた。1本4990~6990円の価格帯を中心とするジーンズやシャツ、ジャケットを投入。工場を直接訪れ技術指導するなど、細部の仕様にまでこだわった。

既存のPB「Blue Standard」などと併せて積極的な商品展開を行い、売り上げに占めるPBの比率は37%(2018年3月期第3四半期時点、前年同期は32%)に上昇。既存店の回復の一翼を担った。

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