ファーストリテイリング、9-11月期は28%増益 全部門で増収増益、12月も国内ユニクロ好調

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 1月11日、ファーストリテイリングは、2017年9―11月期の連結営業利益(国際会計基準、IFRS)が前年同期比28.6%増の1139億円になったと発表した。国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業、グローバルブランド事業の全ての事業セグメントで増収増益となった。写真は都内で昨年3月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - ファーストリテイリング <9983.T>は11日、2017年9―11月期の連結営業利益(国際会計基準、IFRS)が前年同期比28.6%増の1139億円になったと発表した。国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業、グローバルブランド事業の全ての事業セグメントで増収増益となった。

売上高に相当する連結売上収益は同16.7%増の6170億円。

海外ユニクロ事業の売上高が初めて国内ユニクロ事業を上回ったことについて、岡崎健CFO(最高財務責任者)は会見で「あくまで通過点だが、やっとここまでこれた。まだ、利益的には日本が大きい。日本をグローバル全体の中のひとつの国になるようにしたい」と述べた。

足元の消費環境については「経済全般は良くなっている。消費環境も強くなっている。しかし、アパレルは強いわけではなく、需要が戻ってきているかというと、楽観はしていない」と述べた。

9―11月期の国内ユニクロは18%増益、海外ユニクロは54%増益、ジーユー事業は31%増益、グローバルブランド事業は10%増益となった。

国内ユニクロの9―11月期既存店売上高(Eコマースを含む)は前年同期比8.4%増。続く12月は気温が低く冬物が好調で、売上高は18.1%増と高い伸びとなった。客数は13.5%増、客単価は4.0%増。通期では1.9%増を計画しているが、9―12月時点で11.3%増と上振れて推移している。

9―11月期のEC売上高は25.6%増で、売上げ構成比は7.0%に上昇した。EC拡大を掲げる中、11月の「ユニクロ感謝祭」では、システムがダウンした。岡崎CFOは「アクセスが集中した。見通しが甘かった」と振り返り、改善を進めているとした。同社は、将来的にEC比率を30%まで高めたいとしている。

海外ユニクロ事業は、中国が計画通りに拡大しているほか、台湾や韓国が計画比上振れた。また、9―11月期で米国事業が黒字に転換したという。ただ「通期では(米国とカナダを含む)北米事業の赤字が半減する見込み」とした。

ジーユー事業は、国内が減収となったものの、値引き販売をコントロールしたことで粗利益率が改善した。

18年8月期の連結売上収益は前年比10.1%増の2兆0500億円、営業利益は同13.4%増の2000億円の計画を据え置いた。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト17人の営業利益予測の平均値は2069億円となっている。

9―11月期の収益は計画を上回っているものの「秋冬シーズンが終了しておらず、通期計画は据え置く」とした。

(清水律子)

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