イスラエルとアラブ諸国の埋まらない食の溝 ひよこ豆の伝統料理をめぐって苛烈な舌戦

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「頼むよ、ジョークのツイートだと言っておくれ。さもなくば、アラブ人がイスラエルのテクノロジーを使うときそれは“文化的抹消”となるのかい? あなたはインスタントメッセージ機能を使う? Waze(イスラエル発のナビゲーションアプリなどを手掛ける有名なスタートアップ)を使うか? もし使うなら、どうぞやめてくれ」

「僕が考えるより、一部の人たちはフムスをシリアスにとらえているようだ」

「まあ落ち着いてくれ。たかがフムスじゃないか」

一連のツイートの嵐は、メディアにも大きく取り上げられた。「フムスをめぐるツイッター上での戦争」「フードファイト! 敵はイスラエルがフムスを盗んだと言っているぞ」など挑戦的なタイトルで、イスラエル・パレスチナ側双方のメディアが相次いで報じる事態となっている。

フムスをめぐる論争は根深い

そもそも、フムスをめぐる対立は今に始まったことではない。

フムスの量でギネス世界記録を目指して、2010年にはイスラエル人のシェフたちが集結して4087キロもの巨大なフムスを作った。大きな皿が見当たらなかったため、直径6メートルもの衛星通信用のパラボラアンテナを皿に見立てて盛り付けられるという珍エピソード付きだが、実は、その数カ月前には、ライバルのレバノンが世界記録を達したばかり。

次ページその起源を争うことなくおいしくフムスを
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