パキスタン南西部の小さな港町に賭ける中国 グワダルへの巨額投資の落とし穴

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グワダル選出の州議員Essar Nori氏は、「地元住民が完全に満足しているわけではない」と述べ、分離独立主義者がそうした不満につけ込んでいると付け加えた。

パキスタン当局者はグワダル住民に忍耐を求め、飲料水を確保するための脱塩プラントと発電所を早急に建造すると約束している。

過去の教訓

中国によるパキスタンでのグワダル計画は、スリランカにおける類似の取り組みとは対照的だ。スリランカでは、南部のハンバントタ港が複合港に変貌したが、中国に対する債務を背負った。

写真はグワダルの漁師たち。10月撮影(2018年 ロイター/Drazen Jorgic)

スリランカは12月、債務軽減と引き換えに、港湾の運営権を99年間のリース物件として中国に譲渡。この措置は多くのスリランカ国民から主権侵害と受け止められ、街頭での抗議行動を招いた。

ハンバントタ港は、グワダルと同様、中国がアジアとアフリカで開発する港湾ネットワークの1つであり、増大する中国の海軍力によって包囲される可能性を恐れるインドを苛立たせている。

もっとも、パキスタン当局者は、債務がはるかに少ないグワダルのプロジェクトを、ハンバントタと比較するのは不適切だと語る。

パキスタン政府文書と当局者によれば、グワダルにおける中国の援助は、新空港以外にも、病院ベッド数250床追加に1億ドル、水道インフラ更新に1億3000万ドル、さらに技術・職業訓練大学向けの1000万ドルなどが含まれている。

「こうした支援を歓迎する。グワダル住民の生活の質を良い方に変えてくれるものだ」。そう語るのは、グワダルを含むCPECを監督する議会委員会の委員長を務めるMushahid Hussain 上院議員だ。

CPECの仕組みの下で、どのプロジェクトを実施するかについては中国とパキスタンが一緒に選択している、と同議員は語る。

新空港について中国側は7000メートルの滑走路を提案したが、パキスタン側はエアバス380の離着陸が可能で、軍用にも使える1万2000メートルの滑走路を主張した、とグワダル開発公社のディレクター、Sajjad Baloch氏は述べた。

グワダルで約束した無償資金協力の規模は異例だ。そう指摘するのは、米ウィリアム・アンド・メアリー大学のエイドデータ研究所のブラッド・パークス所長だ。同研究所は2000年から2014年にかけて、中国が140カ国向けに行った援助データを収集している。

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