ダイハツ、インドネシアは「アイラ」で攻める 業界団体トップも務める現地法人社長に聞く

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――タイは、部品産業を含め自動車生産の一大中心地になった。インドネシアは追いつけるか。

部品の現地調達率の拡大はインドネシアの課題だ。そういう意味ではタイとはまだまだ差がある。政府も部品産業を育成したいと考えているが、まだ成長が始まったばかりで統合的な部品産業育成政策は整備されていない。

ADM自身は部品会社の育成に力を入れている。サプライヤーの育成を取り組みを他社にも呼び掛けている。部品産業の成長を含め、2020年ごろにはタイの水準を追い越し、東南アジアの自動車産業の中心になれることを期待している。

インドネシアでは「ダイハツ」ブランドに優位性

――ADMはトヨタへのOEMを含め、インドネシア国内でトップメーカーだ。だが、日産やホンダなど、シェア下位メーカーもインドネシア専用車の投入を発表するなど、市場開拓に本腰を入れ始めた。熾烈な競争が予想される。

9月に発表したLCGC対応車「アイラ(トヨタ向けはアギア)」に代表されるように、価格の安い実用的な自動車を軸に、ADMが現在の地位をキープしていくことには自信を持っている。アイラはインドネシアのために現地で開発したモデルだ。他社はグローバルモデルのインドネシア版だ。

ホンダはそもそもハイエンドなブランドで、ダイハツが得意とする普及価格帯には入らないだろう。日産が投入する「ダットサン」は同価格帯だが、いったんなくなったブランドであり、定着するには時間がかかるだろう。ダイハツのブランド、販売ネットワークには優位性がある。
 

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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