ダイハツ、インドネシアは「アイラ」で攻める 業界団体トップも務める現地法人社長に聞く

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インドネシア自動車工業会会長も務める、アストラダイハツモーターのスディルマン・M・ルスディ社長(中央)

渋滞問題はあまり心配していない。首都圏の渋滞解消のために、業界として政府には公共交通機関の整備を要求し続けている。政府も地下鉄などMRT(大規模大量輸送システム)の整備に着手したところだ。

道路整備についても、土地収用関係の法律を整備するなど道路建設をしやすくしている。地方を結ぶ高速道路については、アストラグループ(インドネシアの有力財閥の一つで、ダイハツの合弁先)など民間資本も投資して整備を進めているところだ。

ダイハツ現法でも、「労働問題」には腐心

――労働問題については。

賃上げを中心に労働問題は重要な課題だ。経済成長に伴って、以前より労使関係が不安定になっているのは事実。政府、企業、組合の三者がもっと関係を強化してこの問題に取り組む必要がある。今年の最低賃金引き上げ率については政労使で交渉中だ。

アストラダイハツモーター(ADM)でも、労使の関係強化にはより努めている。ADMのおカネを稼いでくれるのは社員。ADM社長として3カ月ごとに組合の労働者と話し合いを持っている。また、ロッカーや食堂はきれいか、食事の質は充分かなども見て回り、労働環境を確認している。社長室はつねにオープンで、カギはかけておらず、誰でも来られる。就業時は社長だが、それ以外の時間は社長も従業員も同等の人間としてコミュニケーションしている。

取引先に対しても労働関係には注意を払うように要請、課題があれば何でもADMが支援する。

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