ダイハツ、インドネシアは「アイラ」で攻める 業界団体トップも務める現地法人社長に聞く

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ダイハツのインドネシア現法が9月に発表した「アイラ」

急速な経済成長により、タイと並んで東南アジア最大級の自動車市場に成長したインドネシア。2億4000万人を数える人口規模や中間所得層の拡大に伴い、中長期的には東南アジアでも圧倒的な市場規模への成長が確実視されている。こうした状況を受け、シェア9割超と市場をほぼ独占する日系自動車メーカー各社は、現地での販売拡大を目指し、積極的な新車投入や増産投資に乗り出している。

インドネシア自動車産業の見通しや課題について、ダイハツ工業の現地法人・アストラダイハツモーター(ADM)社長であり、インドネシア自動車工業会(GAIKINDO)会長も務めるスディルマン・M・ルスディ氏に聞いた。

インドネシアでの販売台数は15年に再成長軌道へ

――インドネシアの自動車販売台数は2009年の49万台から、12年は過去最高の112万台に急伸した。足元の状況と見通しは。

2013年については年初には120万台超への伸びを見込んでいたが、その予想よりも成長率は落ちて110万~120万台程度になりそうだ。通貨ルピアの下落や金利の上昇、燃料価格の値上がりなどが、自動車販売にマイナスの影響を与えている。

現在の状況を勘案すると2013~14年は伸びがあまり期待できず、15年に再成長軌道に復帰するのではないか。景気にはつねに波があるが、インドネシア経済は平均的には年率5%程度の成長を続けられると見ている。自動車の購買層になる中間層は間違いなく増える。今年からは、低価格・低燃費車両を減税する政策(LCGC政策)も始まり、各社から、より低価格の自動車も売り出される。中長期的な自動車市場の拡大に不安はない。

――ジャカルタ都市圏を始め、渋滞が極めて深刻だ。まだごく一握りの富裕層が自動車を持つにすぎないにもかかわらず、この状況で、マイカーが中間層に拡がると一層悪化する。地方部を含め道路・公共交通インフラの立ち後れが、自動車市場の成長を阻害しないか。

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