与田祐希が「次世代エース」と呼ばれるワケ 乃木坂46の未来を拓く「島っ子」の素顔とは?

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この瞬間から「人生が変わりました」。

「乃木坂に合格したばかりの時はフワフワしてて、これは夢なのかなって、目が覚めたら普通に志賀島にいるんじゃないかなって。夢か現実かわからなかった」

夢見心地のなかで仕事が始まった。同年12月には3期生の「お見立て会」で初舞台に立ち、2017年2月には、3期生による演劇「3人のプリンシパル」の15公演に出演。5月には、3期生単独ライブ8公演が行われた。

写真集『日向の温度』を手に(撮影:梅谷秀司)

そして、冒頭にも記したように8月に発売された乃木坂46の18枚目のシングル『逃げ水』でセンターに抜擢。8月11日、全国ツアーの仙台公演中にソロ写真集の発売がサプライズ発表され、直後に撮影が始まった。

のんびりとした島での生活から180度異なる都会での忙しい毎日。あこがれていたアイドルとしての日々を楽しみながらも、心中では張り詰めたものがあったのだろう。シンガポールで撮影された写真集『日向の温度』のなかに1枚、涙を流す与田の写真がある。それが冒頭に紹介した現地のレストランでのシーンだ。

ほかの写真とイメージが違うけど、なぜ泣いているのですか? と尋ねると、その当時の心境を明かしてくれた。

「乃木坂に入ってから正直、不安もプレッシャーもあったし、戸惑うことも多かった。それでも支えてくれる人がいるから頑張ろうという気持ちで全力で走ってきて、私の気持ちのなかでは初めての写真集が一区切りだと思っていました。その撮影が本当に楽しくて、これで終わりかと思ったら、安心感と達成感、感動で涙があふれ出ちゃいました」

「島の子」らしい素顔

『日向の温度』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします) 

デビューから1年数カ月にして、インタビューの受け答えや撮影時の表情、振る舞いはアイドルそのもの。そのプロ意識が次世代のエースと言われるゆえんなのかもしれない。

そうは言っても、まだ17歳だ。インタビューの最後に、志賀島を駆けまわって育った「島の子」らしい素顔をのぞかせた。

「もし何の予定も入っていない完全なオフがあったら、遊園地に行きたい。ジェットコースターとか絶叫系が好きなんですよ。バンジー(ジャンプ)も飛んでみたい。そういう体を張った仕事も楽しそうですよね(笑)」

川内 イオ フリーライター

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かわうち いお / Io Kawauchi

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年夏、バルセロナに移住し、スペインサッカーを中心に各種媒体に寄稿。2010年夏に帰国後は、編集者としてデジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部で勤務。2013年6月より、フリーランスのエディター&ライター&イベントコーディネーターとして活動中。スポーツ、旅、ビジネスの分野で輝く才能やアイデアを追って各地を巡る。

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