人望のある上司は「感情」抜きで人を評価する 好き嫌い評価をやめて「2軸思考」を使おう

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「好き嫌い」抜きで人の力を評価するにはどうすればいいでしょうか(写真 : Ushico / PIXTA)
「上司から正当に評価されていない……」――これが、世間で最もよく聞かれる愚痴のひとつでしょう。『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』の著者である木部智之氏も、プロジェクト・マネジャーになった当初はメンバーのスキルを把握できず悩んでいたそうです。いまや500人の部下を抱え、プロジェクトを統括する木部氏に、「好き嫌い」抜きで人の力を評価する秘訣を聞きました。

「好き嫌い」ではない人材の評価をするには?

私は今、500人の同じメンバーを抱えていますが、なかでも一番難しいと感じる仕事が「人材の評価」です。

普段どれだけロジカルな人でも、「人」に関することは、主観が混じり、曖昧になりがち。ある1人に対する評価でも「あの人はプログラミングの天才で、優秀だ」と絶賛する人もいれば、「いや、技術的には優秀だけど、人を動かすのが苦手だよ」という意見の人もいます。ここがテストの点数で客観的に順位をつけられる学校の成績とは違う、難しいところです。

だからといって、「彼は優秀だ」「いや、それほどでもないよ」といった曖昧な評価や好き嫌いで組織を動かしてはいけません。このようなときに、タテとヨコ、2本の線を使って整理すると、フェアな評価をすることができます。私はこのやり方を「2軸思考」と読んでいます。

タテ軸とヨコ軸、2本の線を引いて、あらゆる物事、情報をシンプルに整理する。これが2軸思考です。基本は、たったこれだけです。私は線の引き方で2軸を3つのパターンに分類しています。2本の線を左上で交差させる「マトリクス」タイプ、中央で交差させる「4象限」タイプ、そして左下で交差させる「グラフ」タイプです。

この3つを覚えておくだけで、あらゆる業界、あらゆる職種のあらゆる問題を解決することができます。

一方で、目にしたものの「構造」をすぐに理解するためにも2軸思考は有効です。

たとえば、新聞の図表を眺めるとき、プレゼン資料を見るとき、企業の決算発表を読み解くとき。私は頭の中が2軸思考になっているので、すべての図からタテ軸とヨコ軸が浮かび上がってきます。

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