「睡眠負債」が招きかねない4つの致命的ミス あなたの仕事、恋愛、婚活は大丈夫?

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睡眠負債はさまざまな場面で悪影響を及ぼします(写真 : pnuar006 / PIXTA)

昨年の流行語大賞にもノミネートされた「睡眠負債」。これは日本社会に「睡眠が足りていない」という実感のある人が相当数いて、「睡眠不足が体に悪いかも」という危機意識が出てきていることの表れです。

ちなみに睡眠負債とは、寝不足が借金のように少しずつ蓄積した状態のこと。体質など個人差はありますが、成人が健康に過ごすために「最適な睡眠時間は7時間前後」というのが日本の睡眠研究者の共通認識です。ところが、厚生労働省「国民健康・栄養調査(2015年)」によると、日本人の平均睡眠時間は「6時間未満」が4割。また10人に1人は「5時間未満」の睡眠時間で生活をしています。

学校や仕事の始業時間などの関係で毎日の起床時刻はある程度決まってくるので、平日の夜に自分の時間を持とうとすると、どうしても睡眠を削ることになりますよね。だから「5時間睡眠」「6時間睡眠」というと、たいして短くないように感じるかもしれません。

誰もが「睡眠負債者」の予備軍

けれど仮に1日「7時間」の睡眠が必要な人が「5時間」睡眠を毎日続けると、1日に2時間ずつ睡眠負債がたまっていきます。この生活を2週間続けると、2時間×14日で、なんと28時間連続で起きている時と同じ脳の状態になるといいます。これは「1日の睡眠不足(時間)×日数=連続で起きている時間数(時間)」という、睡眠不足による脳のダメージを「連続で起きている時間数」で表す計算式に当てはめたものです。

またこのように1日2時間の睡眠不足が14日間続くと、弱度酩酊状態といって、お酒を飲んで「ほろ酔い」の時の血中アルコール濃度とほぼ同じ脳の働きになるという実験結果が出ています。

ほろ酔いの時は気分がいいのでハッピーでしょうが、睡眠負債の場合には意識が朦朧としていることに加え、体がだるくて重いし、眠いし、精神的にも不安定になりやすく、思考もネガティブになりがちなので、高いパフォーマンスを上げるには決していい状態とはいえません。

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