芸能人格付けチェックをつい見てしまう理由 「新春かくし芸大会」なき今、元日のエースに

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2つ目の必勝ポイントは、大人数で遊べるゲーム性。

当番組は単純な2択のため、子どもから大人、高齢者まで、すべての世代が平等に楽しめるコンテンツであり、親子や親戚、友人などが集まる元日に最適。しかも必然的に正解率が高くなり、喜べる瞬間が多く、「なかなか正解できない」と正月からストレスを感じることはありません。

また、当番組は大御所、強気のキャラ、美男美女の俳優、今をときめくアイドルなどが不正解で打ちひしがれる姿が見どころになっていますが、これは一般家庭でも同じ。「父親が子どもに負ける」「兄が弟や妹に負ける」など、芸能人同様に明暗が分かれ、下剋上が起きるため、盛り上がりやすいのです。

もともと元日には、すごろく、羽子板、福笑いなど、老若男女が集まり、年齢性別を超えて大人数で遊ぶ習慣がありました。「芸能人格付けチェック」はその代替品であり、21世紀のアップデート版とも言えるのです。

世の中を見渡してみると、福袋などの正月らしい運試しや大盤振る舞いは継承されていますが、視聴率の低下が叫ばれるテレビ番組に関しては、あまり景気のいいものは見られません。その点、当番組は芸能人と同じ6つのチェックで、「タラバガニ」「豪華海鮮セット」「近江牛サーロイン」「旬のフルーツ詰め合わせ」「旅行券」「ギフトカード」などの「豪華お年玉」が当たるチャンスがあるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

賛否両論を巻き起こすエンタメ性

3つ目の必勝ポイントは、賛否両論を巻き起こすエースの存在。

正月特番がスタートしたばかりのころは叶姉妹が一流芸能人の座を獲得していましたが、現在のエースと言えば51連勝中のGACKTさん。「ハラハラドキドキさせられながらも、連勝を続けてスカッとする」と「ここまで正解するのはあやしい。やらせではないか」。このような賛否両論を巻き起こす虚実皮膜の世界観が、視聴者を強烈に引きつけています。

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