民進党「新党結成」構想はやはり不発に終わる 蓮舫氏は離党・立民入り、予備軍も続々

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立憲民主党・枝野氏(左)は大塚耕平・民進党代表(中央)の統一会派の呼びかけに否定的、希望の党・玉木氏(右)は前向きだが、民進党内に根強い反対(撮影:中央のみ今井康一、ほかは尾形文繁)

御用納めを目前にした永田町で、生き残りに躍起となる民進党の右往左往が他党の冷笑にさらされている。巨大与党打倒のための民進系再結集を狙った「新党結成」構想も、相変わらずの「党内バラバラ」で不発に終わり、12月26日の合同会議では元仲間の立憲民主党と希望の党に「3党統一会派」を呼びかけるというその場しのぎの方針でお茶を濁した。

しかし、大塚耕平代表が再結集のため打ち出した捨て身の新党作戦に異論が噴出して離党ドミノが続く中、蓮舫前代表までが合同会議後に離党、立憲民主党入りに踏み切る事態に。年末の党内大混乱で、党再建や再結集は「元の木阿弥」(民進若手)になった。

民進党は合同会議後、古川元久幹事長が立憲民主、希望の両党幹事長に次期通常国会での民進系3党による「統一会派結成」を打診したが、立憲民主は拒否した。希望は対応を留保したが、民進・希望両党の統一会派については民進党内の反対論が根強く「統一会派結成は極めて困難」(民進長老)な状況だ。民進系3党の間では野党第1党の座をめぐる軋轢(あつれき)も顕在化しており、年明け以降も民主党時代と同様の「決められない政党」の迷走が続きそうだ。 

ベテランの反対で「結論先送り」

民進党は25日の常任幹事会と26日の両院議員総会・全国幹事会合同会議で党再建策を協議した。その結果、当面は新党結成と党名変更を見送り、党を存続したまま基本政策や党組織の見直しを進め、立憲民主、希望両党には統一会派結成を打診する方針を確認した。民進党内には「次の参院選を戦えない」との危機感から早期の新党移行を主張する向きも少なくなかったが、岡田克也元代表らベテラン議員が党存続を強く主張したため、大塚代表も「結論先送り」を余儀なくされたのが実態だ。 

党執行部は、(1)安全保障関連法の違憲部分の削除、(2)森友・加計学園問題の徹底追及、(3)長時間労働規制、などでの「共闘」を前提に統一会派を打診する方針を確認した。しかし、枝野・立民代表は「永田町の数合わせの論理に乗ったら自己否定になる」と統一会派結成も拒否する姿勢を変えなかった。

これに対し、希望の党・玉木代表は「申し入れがあれば真剣に検討する」と述べる一方で、「(国会での共闘には)一定のルールと政策合意が必要だ」と条件を付けていた。さらに、民進党に含まれる衆院会派「無所属の会」のメンバーは、合同会議に先立ち、統一会派打診は認めるが希望の党全体とは組むべきではないとの方針を確認した。

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