1年を豊かに生きるには「哲学」体験が必要だ 「ハッ!」とする経験が思考を高めてくれる

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最後に紹介するのはイギリスの哲学者・ラッセル(1872~1970年)。ラッセルはヘーゲルの影響を受けた論理学者として活躍し、数学や哲学の研究にとどまらずノーベル文学賞も受賞しています。一方でプライベートでは4回結婚しており、最後の婚姻にいたっては80歳! 生涯にわたって恋愛を謳歌した哲学者といえるでしょう。アランと同じく『幸福論』という著書が有名です。

ラッセルはなぜ「熱意」を重視したのか

B.ラッセル『ラッセル 幸福論』安藤貞雄 訳/岩波文庫/1991年(イラスト:ポプラ社提供)

冒険好きな人からすれば、どのようなハプニングも楽しいものでしょう。同様に、人生に対する熱意のある人は、予想外の事態が起きたとしても「新しい経験ができた」と前向きに捉えられるものです。

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しかし熱意がないと、予想外の出来事がふりかかってきたとき、自分が損しているかのような感覚を覚えてしまいます。この熱意は、興味と言い換えることもできるでしょう。人生で起こるあらゆることに興味を持てる人は、持たない人よりも、より多くの喜びの機会を見つけられるのです。

常に哲学的スタンスを忘れることなく、「まいにち」を充実させていってくださいね。いつも手もとに哲学を。

原田 まりる 作家

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はらだ まりる / Mariru Harada

1985年2月12日京都府京都市出身。哲学の道のそばで育ち、高校生のとき、哲学書に出会い感銘を受ける。大学在学時より行ってきた芸能活動を経て、現在は作家・哲学ナビゲーターとして活動。オンラインサロン「この哲学がスゴい!〜ケンカしない哲学交流ラウンジ〜」(DMMLounge)主宰。2017年4月にゲーム・マンガ原作制作会社「noexit(ノイグジット)」を設立。著書に哲学者の教えと経験談を交え綴った『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)、京都を舞台にした哲学のエンタメ小説『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社、第5回京都本大賞受賞)があり、本作が3作目となる。『哲学手帳』(扶桑社)も発売中。

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