就職率は3,4割。中国の就活は大変です

中国エリート学生座談会(その1)

 日本にとって近くて遠い国、中国――。日本人は、中国や中国人について語るとき、つい画一的なイメージを持ってしまう。しかし、中国人は極めて多様だ。とくに若い世代と古い世代には、価値観に大きな隔たりがある。では、中国人の新世代エリートたちは、何を考え、どんな価値観をもっているのか。現地でのインタビューや鼎談などを通じて、キャリアから政治から恋愛まで今時の中国人の本音を探る。
写真:ロイター/アフロ

中国では今、9月に新しい学年が始まったところだが、10月1日から1週間の国慶節が明けると、就職活動が最初のピークを迎え始める。

しかし昨年の就職活動は特に厳しかった。景気後退のあおり受け、卒業を控えた今年5月には、大学新卒生の就職率は上海で45%、北京で30%を下回ったという話も報じられたほどだ。

そんな就職氷河期の中、次の時代の担い手となるエリート学生たちはどんな就職活動をし、どんな将来を夢見ているのか。今年の夏前、就職が決まった上海と北京のトップ4校の学生たちに、就職活動について語ってもらった。第1回目は上海の復旦大学および上海交通大学の理系院生の話である。

<対談者プロフィール>(名前は仮名です)
王弘(男):25歳。福建省出身。復旦大学修士課程3年。専門は半導体。就職先は外資の大手半導体メーカー。
李亜紅(女):25歳。広東省出身、復旦大学修士課程3年。専門は半導体。就職先は復旦大学が技術提供する民間の半導体企業。
張輝(男):24歳、上海出身。復旦大学修士課程3年。専門は照明エンジニア。就職先は外資の大手照明機器メーカー。
羽深(男):25歳、江蘇省出身、上海交通大学修士課程3年。専門は工学系だが、就職先は専門と関係なく、中国の大手商業銀行。
黄広明(男):25歳、山東省出身、上海交通大学修士課程3年、専門は機械工学だが、修士2年のときに会計などの資格を独学で取得し、中国の政府系投資銀行に就職。

政府系銀行に就職した理由

――まずは自己紹介からお願いします。

王弘:復旦大学の修士3年生です(注:中国の大学院は3年制)。僕は学部のときからずっと半導体が専門で、就職先も外資の半導体メーカーです。おそらく今後もこの分野でエンジニアをしていくことになるでしょう。

李亜紅:王弘のクラスメートです。私も彼と同じで、学部のときから専門は半導体でした。就職活動では銀行なども受けたのですが、やっぱり技術系のほうが自分に合っていると思って、大学が技術提供している半導体企業に就職しました。

張輝:復旦大学の修士3年です。学部2~3年の頃に照明系のエンジニアになりたいと思って、この分野に進みました。就職先も外資の照明機器メーカーです。

羽深:上海交通大学の修士3年です。専門は工学系ですが、エンジニアはどうしても合わなくて、就職活動では営業職を探しました。それで中国の国営商業銀行に就職することになりました。

黄広明:上海交通大学の修士3年です。僕は学部で機械工学を学んでいて、大学院も推薦で機械工学に進みました。でも羽深さんと同じで、技術系の仕事に興味を持てませんでした。それで修士2年のときに、CFA,CPAといった金融関係の資格を取得して、証券会社でインターンをしました。本当はそのまま就職したかったのですが、昨年はあまり景気がよくなくて、証券業界は特に厳しく、政府系投資銀行に就職することになりました。

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