トゥイリオCEOが語る「ソフトの力」 ソフトの力で通信を変える注目ベンチャー(下)

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――頻繁に値下げを行っています。

値下げを行うことで、より利活用は広がるはずだ。米国内での1つのメッセージを送るのが 2009年には8セントだった。それが今では0.75セントになっている。

価格レベルが下がるとスケールメリットが出て、更に価格を下げていくという好循環が起こる。お客さんにとっても、費用対効果の良いサービスが出せる点で大きなプラス。エンタープライズ部門のIT投資額は2兆ドルにもおよぶ市場であり、この大きな市場で不可欠といわれるような会社にしたい。

グレートカンパニーを目指す

――海外戦略にも力を入れ始めました。

欧州ではイギリスにベースを置き、欧州全域へ進出する足がかりにしている。われわれは日本市場も重視している。日本ではKDDIウェブコミュニケーションズとのパートナーシップにより、成功を収めつつある。

ミシガン大学でコンピュータ科学などを学び2003年に卒業。Versity.com、Nine Star、Amazon.com、StubHubを経て、トゥイリオを創業。Amazon.com以外の会社は自らが創業メンバーであり、トゥイリオはすでに4社目の起業だ。妻は小児科医。2歳の息子とともにサンフランシスコに在住。趣味は写真だという

――株式公開(IPO)についても取り沙汰されています。どのような計画を持っていますか。

当社の目標は偉大な企業になること。IPOにはフォーカスしてはいません。正直なところ、僕の中では大きな問題ではない。私の目標はグレードカンパニーにすることで、市場公開は資金調達の手段に過ぎない。

 グレートカンパニーに向けて、やるべきことは多い。まだまだ今までやってきたことは、上っ面をなでただけのようなもの。目標は「人と人とのコミュニケー ションを、ソフトを使うことで、より良くしていくこと」だ。ソフトを作る人たちの力を引き出すことによって、コミュニケーションのあり方を変えていきたい。なぜなら今はソフトウェアで何でも解決する時期に来ているからだ。世界のソリューションはビット化され、今後すべての産業の問題はクラウド上のソフトで解決されていくことになるだろう。

Ayako Jacobsson ジャーナリスト

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アヤコ・ジェイコブソン / Ayako Jacobsson

山口県徳山市生まれ、広島市で育つ。東京都立大学(現首都大学東京)法学部卒業、英ケンブリッジ大学、コロラド大学ボルダー校で学ぶ。在学中、AP通信東京支局で編集アシスタント、卒業後はビジネステレビのディレクターとして「ウォール・ストリート・ジャーナルを読む」「製造物責任法」等を担当。その後、読売新聞英字新聞記者として、通信、テレビ、映画、ホテルなどの業界を取材した。ペルーのフジモリ元大統領へのインタビューも行った。1999年頃からシリコンバレーに拠点を置き、取材・執筆活動を行っている。

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