衝撃!サルの脳に「直接情報を注入」した結果 将来的には脳に損傷を負った人の助けにも

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「電気刺激によって何らかの意識的な知覚が生まれたと考えられる」と、カンザス大学メディカルセンターの神経生理学者ポール・チェイニーは言う。彼は今回の研究には関与していない。しかし、具体的にそれが何なのかは明らかではない。「サルに何を経験したのか尋ねることはできないのだ」とチェイニーは言う。

シーバーは、サルが「肌に何かを感じたか、何かを見たのかもしれない」との見方を示しているが、「知りようがない」と述べている。

脳に損傷を負った人たちを助けることも

今回の実験結果で特に興味深いのは、科学者らがサルの脳に送った信号は、ノブやハンドル、ボタンとは根本的なつながりがなかったことだ。

サルが送られてくる信号から正しい装置をつかむことができるようになると、研究者らはその信号を別のタスクのものと切り換えた。各装置の操作に異なる電気刺激を流すようにしても、サルたちはすぐに新しい法則を学習した。「本来備わった脳の領域ではなく、学習エンジンだ」と、プリンストン大学の神経学者マイケル・グラツィアーノは指摘する。彼も今回の研究には関与していない。

シーバーは、将来的にはより複雑に進化した電極を使って脳に損傷を負った人たちを助けることができるようになると推測している。

電極を埋め込むことで、視覚野などの健康な部位のニューロンを傍受し、運動前野に情報を転送するようになるかもしれない。

「コンピュータが『あなたは赤信号を見ています』と言えば、あなたは『ということは、ブレーキに足を乗せなければいけないのだな』と思うだろう」とシーバーは言う。「脳の健康な部位から情報を受け取り、どう行動すべきかを教える領域にそれを注入するのだ」

(C) 2017The New York Times News Services 

(執筆:Carl Zimmer記者、翻訳:中丸碧)

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