2018年「40代が住みたくなる街」はこの4つだ

「暮らしやすくなりそう」という視点で厳選

2016年からは3カ月ごとに「浜町マルシェ」を始め、主催者には同社に加え、地元町内会、商店街も名を連ねる。2015~2016年にかけて元・社員寮やバイク置き場などの遊休地を利用して、評価の高い蕎麦屋などの飲食店3店を誘致。2017年には「街のリビング」をコンセプトにした複合ビル「Hama House」をオープンさせてもいる。いずれもこの町に住む人、働く人にはうれしい存在で、そこから人の交流が生まれていると聞く。

経済効率を考えたら個店を作るより高層化したほうがよい。蕎麦屋を作ってもオフィスの賃料が上がるわけではない。だが、町の魅力は大型ビルにあるわけではないのは、多くの人が感じている通りだ。路地の個店に人が集まることを考えると、大きな面の開発であっても、その隙間に個店を適宜配せれば魅力を生み出すことができるはず。同社の試みはその実践なのである。実際、少しずつ話題に上がることが増えており、効果は出始めているようだ。

関わる人が多い町は面白くなる

溝口

あちこちの町を取材しているが、溝口(川崎市高津区)ほど地域に関わるプレイヤーが多いまちは珍しい。たとえば2017年12月にオープンした空き家だった古民家を利用した複合施設「nokutica(ノクチカ)」(溝口の通称ノクチにちなむ)を運営する会社を立ち上げたのは、溝口に本社を置く不動産会社エヌ・アセットの宮川恒雄氏と松田志暢氏、そして地元で賃貸業を営む越水隆裕氏と石井秀和氏の4人だ。住宅街として発展、認知されてきた溝口に働く場を作ることでまちに活気をというプロジェクトである。

レンタルオフィス、コワーキングやレンタルスペースからなる複合施設「nokutica」。元診療所の広い玄関を利用、1階にはカフェが入る(筆者撮影)

不動産会社と大家にとって町の価値向上は、不動産の価値向上とイコールである。物件が古びていっても、町の人気が高まっていれば賃料の下げ幅は少なくて済むからだ。だが、そこまで考えて町に関わる不動産会社や大家はさほど多くはない。

ところが、この物件に関わった4人はそれぞれに町のゴミ拾いや各種イベント開催、地域SNS主催などを通じて溝口に関わり続け、実績が認められている人ばかり。彼らが集まるならと地元にも期待があったのだろう。オープニングイベントには多くの人が集まり、その時点でレンタルオフィス5室は地域でモノ作りをしたいという人たちで満室という人気ぶりだった。

住んでいる人が町に関わる活動もある。地元のランドマークである大規模マンション「パークシティ溝の口」を中心とした3件のマンション管理組合間の連携がそれだ。毎年、合同して防災イベントを開くなどしており、最近はマンション間を超えて地域のつながりが生まれてきている。ここで活動している人たちがノクチカとも連携しているなど、プレイヤー同士が繋がって新しい企画を実現している例もあり、定期的にさまざまなイベントが開かれるようになっているのはその結果だ。面白い店も増えている。

川崎市は全体としてまちに関わろうとする人の多いエリアだが、そのうちでも南武線の武蔵溝ノ口駅―武蔵小杉駅間は活況。今後、もっと話題になっておかしくない。

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