渋谷の闇が招いた18歳少女の乳児殺人容疑

「子どもが子どもを育てる」異常の中で起きた

東京・渋谷。華やかなネオンとは裏腹に一歩入れば闇に近づく (写真:kazukiatuko / PIXTA)
自分なら一線を越えずにいられたか? 何が善で何が悪なのか? 記者が紙面の短い記事では伝えきれない思いを託して綴る、朝日新聞デジタル版連載「きょうも傍聴席にいます。」。毎回大きな反響を呼ぶ人気連載が新書『きょうも傍聴席にいます』としてまとまりました。記者が見つめた法廷の人間ドラマをお届けします。

生後3カ月の女児を死なせたのは誰か

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

数日間、オムツは換えられず、十分な栄養も与えられていなかった――。東京・渋谷のマンションの一室で生後3カ月の女児が死亡していたのが見つかった。首には傷があった。法廷で罪に問われたのは母親ではない当時18歳の少女。赤ちゃんを死なせたのは誰か――。

2017年1月16日、東京地裁の813号法廷で開かれた裁判員裁判の初公判。傷害致死の罪に問われた事件当時18歳の被告(21)は後ろで髪を束ね、黒のパンツスーツ姿だった。裁判長から起訴内容を確認されると「違います。私は女児の首を絞める行為はしていません」と述べ、無罪を訴えた。

起訴内容は、2013年11月1日午前2時から6時ごろ、渋谷区内のマンションで生後3カ月の女児の首をひもで絞めるなどの暴行を加え、窒息死させたというもの。検察側の冒頭陳述や判決から経緯をたどる。

2013年8月上旬、当時17歳だった被告は長野県から上京。知人の紹介で渋谷区内のマンションの一室で暮らし始めた。この部屋では、女子高生の格好をした女性が客にマッサージなどをする「JKリフレ」が営まれており、被告もここで働くつもりだった。

部屋にはすでに男女二人の住人がおり、一人は被告と同い年の女性だった。数カ月前に高校をやめていたという。3人で暮らし始めて2週間後、生後1カ月の女児を連れた19歳の母親が共同生活に加わった。母親は風俗関係の仕事をしていて外出が多く、被告ら少女二人が「2、3日だけだから」と女児の世話を頼まれた。二人とも育児経験はなかった。

証人尋問。被告と同居し女児の世話をしていた女性が当時の気持ちを述べた。

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