ピエトロが運営する「野菜食べ放題」の正体 「万能調味料」としてのドレッシングをPR

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このCMでも紹介されているが、ドレッシングの用途はサラダだけではない。さまざまな調味料をバランスよく組み合わせていることから、ドレッシング1本で料理の味付けができてしまうのだという。

時短のニーズに応える万能調味料

「伝統的な和食の調味料の“さしすせそ”(砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ)のうちみそ以外は全部入っています。これを加えるだけで味が決まるので、時短のニーズに応える万能調味料なんです」(岡野氏)

時短、つまりより短い時間で料理できる、また味付けに失敗したくない、というニーズが高まっており、ドレッシングだけでなく、1本で味付けができるさまざまな調味料が各メーカーから発売されている。そのため現在では調味料とドレッシングの境目がなくなってきている時代だという。そもそも、ノンオイルドレッシングは原材料表示のうえでは「ドレッシングタイプ調味料」なのだそうだ。

そして「ドレッシングは万能調味料である」という認識をさらに広めるべく、同社が行っている取り組みが、アンテナショップにおけるベジデリビュッフェや料理教室だ。

ベジデリビュッフェは、ランチの時間に行っているサービスで、9種の料理が75分間食べ放題で、831(ヤサイ)円(税抜)。飲み物やスープは別で、それぞれプラス100円(税込)だ。ビュッフェで提供される料理は、ピエトロのドレッシングを知ってもらうことや、家庭で実際に作ってもらえるようにとのコンセプトで考案されており、野菜が中心で、味付けはドレッシングだけでなされている。2カ月ごとに入れ替わるメニューのレシピはすべて、営業推進課の社員が考案しているそうだ。その中心となる奥多佐知子氏は、もともと同社の商品開発を担当していた経験から、ドレッシングに込められた開発者のこだわりや、使い方についても熟知。調理師の資格も有している。

料理教室の様子(写真:ピエトロ)

「塩やこしょうも基本的に使いません。だから失敗することもないし、時短になります。旬の野菜を取り入れながら、すぐにご自宅で作っていただけるようなレシピを考えています」(奥多氏)

並んでいる料理を見ると、野菜中心だがバラエティに富んだ品ぞろえで、彩りも美しく食欲をそそる。アンテナショップを訪ねたのが12月半ばだったこともあり、根菜を使った料理や焼き野菜のサラダなど、体を冷やさないようなメニューも気配りされている。炊き込みご飯などの主食も並ぶ。

また料理が並ぶカウンターには、「かける」「和える」などとその料理の調理法がパッと見てわかりやすいようアイコン化したイラストを表示している。さらにレシピを掲載した持ち帰り自由のレシピカードも並べられている。いずれも、材料は多くても5~6品程度、手順も1~3工程で済むような簡単な料理だ。

「実際の生活者の視点でレシピを考えています。ですから、たとえば葉野菜が高い時期のための、乾物を使った料理なども加えているんです」(奥多氏)

ひじきや切り干し大根というと伝統的な和食のイメージ。確かにヘルシーで、ストックしておけばいつでも使えて便利なのだが、味付けや調理法が限られており、食のバリエーションに欠ける。

そこで奥多氏は、ひじきと切り干し大根を洋風のサラダに仕立てた。ひじきと切り干し大根を水で戻して、人参、ゆでた枝豆と一緒にし、「焙煎香りごま」をかけるだけ。簡単だし見た目もカラフルで、子どもも喜びそうだ。

次ページ取り組み自体はPRが主たる目的
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