調布のゴルフ場が来場者を増やし続ける事情 9ホールのプレースタイルは普及余地がある

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日本は少子高齢化でゴルフ対象人口が減少し、さらに若者の参加が少ないことが課題だ。ゴルフ関連の17団体で構成されているゴルフサミット会議でも、ゴルフ振興の中期目標として20歳代後半から30歳代前半のゴルフ実施率を10%強に引き上げることが叫ばれているが、増えていないのが現状である。

海外に目を向けてみると、欧米ではゴルフの若者離れが目立ち、その理由がゴルフに時間がかかるためだという。その対策として米国ゴルフ協会では9ホールのみのプレー「PLAY9」を推奨している。

またヨーロピアンツアーでは今年の5月「ゴルフシックス」という6ホールで争われる変則マッチプレー大会が始まった。公式競技であり、16ヵ国から各国2名が参加する国別対抗戦だ。開催コースは英国のセンチュリオンクラブで6ホール全長2276ヤード、パー24のコース設定であった。まさに時代の先取りをしてきたのがこの調布のコースである。

実際にプレーしてみた

私も体験してみた。15時30分にスタートして17時30分過ぎにプレーを終了した。2時間弱で9ホールを楽しむことができた。冬の夕暮れは早いが、夕刻になり暗くなってくると、ナイター照明のLEDが点灯しプレーを続けることができた。夜は22時まで営業しているので会社帰りでも楽しめる。また、併設のレストランも夜の時間も営業していて、プレー後に仲間とお酒や料理を楽しめた。

この盛況がすべてゴルフ場に当てはまるとは思わない。しかし、9ホールのプレースタイルをもっとゴルフ場関係者は普及させてはどうだろうか。気楽に遊びに行けるゴルフスタイルが、子供や女性を含めたゴルフ初心者、若者を取り込めるのではと実感した。ゴルフへの新しい楽しみ方を提案し、ゴルフファーのニーズの変化に対応していけば、まだまだゴルフ場の活性化の余地はある。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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