これが鉄道の原点!今乗れる「客車列車」10選 SL列車以外で乗れる客車をピックアップ

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8)嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車(京都府)

紅葉の中を保津峡に沿って走る嵯峨野トロッコ列車(筆者撮影)

1989年、JR山陰本線の嵯峨(現・嵯峨嵐山)―馬堀間が電化のうえ複線化されるに際し、保津峡付近のカーブの多い区間は、トンネルと鉄橋で直進する新線に切り替わった。しかし、絶景区間だった旧線を廃止するには忍びないとして観光鉄道に生まれ変わり、1991年からトロッコ列車の運転が始まった。

列車はDE10形ディーゼル機関車が5両のトロッコ車両を連結した編成で、トロッコ嵯峨駅に向かう際は機関車が先頭、トロッコ亀岡駅へ向かう際は機関車が最後尾となり、トロッコ車両の先頭車にある運転台で制御するプッシュプル運転である。トロッコ車両は元は貨車で、トキ25000形無蓋車を大改造したものである。

当初の予想に反して活況を呈し、春や秋の観光シーズンには大混雑している。今や、京都観光に欠かせない乗り物となっている。

中国山地を走る「おろち」

9)JR木次線「奥出雲おろち号」(島根県)

「奥出雲おろち号」のディーゼル機関車(筆者撮影)

JR木次線の木次(きすき)―備後落合間で土休日を中心に1往復運転されるトロッコ列車。専用塗装のディーゼル機関車に同じく専用塗装の12系客車が2両連結され、うち1両がトロッコ車両に改造されている。この列車も、木次に向かう際は機関車が先頭、備後落合に向かう際は機関車が最後尾となり、先頭の客車から制御するというプッシュプル運転である。

木次線沿線には、JR西日本では唯一の3段式スイッチバックや松本清張の長編推理小説『砂の器』で有名になった亀嵩(かめだけ)駅などがあり、人気列車となっている。

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