【産業天気図・石油・石炭製品】石油元売り各社、原油価格下落だが需要低迷で天気は一転曇りへ

予想天気
 08年10月~09年3月   09年4月~9月
 

石油業界の天気は2008年度後半が「曇り」、09年度前半は「雨」になりそうだ。高騰を続けていた原油価格が軟化しているものの、国内外での石油製品需要の落ち込みが顕著で、遅れていた川下の給油所などへの価格転嫁が浸透するかどうかは微妙な情勢。需要回復にもメドが立たず、前回予想(6月)時点では「晴れ」模様だった天気も次第に下り坂へ向かう公算が大きい。
 
 急ピッチでの原油価格の上昇はこれまで、石油元売り各社の石油製品販売・精製事業の収益を圧迫していた。精製段階で使う自家消費燃料のコスト増に直結。原料高の川下への転嫁が追いつかず、ガソリンなど石油製品のマージン悪化にもつながっていた。業界最大手、新日本石油<5001>の石油製品部門の07年度経常損益は在庫評価の影響を除いた実質ベースで366億円の赤字。08年4~6月期も44億円の経常損失を計上した。
 
 油価が下落に転じたことで、在庫評価に「総平均法」を採用している元売り各社の在庫評価益は目減りし、これに伴って見掛け上の利益は下振れする見通し。「総平均法」は期初の在庫と期中の仕入額を合計して平均するため、原油相場の値上がり局面では期初の割安な在庫が売り上げ原価を引き下げ、在庫評価益が発生する。元売り大手で同法を採用しているのは新日本石油、昭和シェル石油<5002>、コスモ石油<5007>、新日鉱ホールディングス<5016>の4社。このうち、新日鉱ホールディングスは原油価格が1バレル当たり5ドル下落すると、見掛け上の経常利益を70億円程度押し下げるという。
 
 これに対して実質ベースでは本来、遅れていた価格転嫁が進んで石油製品部門の収支改善が見込まれるところ。だが、需要低迷は厳しいうえ、4~6月期は好調だった軽油主体の輸出も世界景気減速が響き、7月以降は状況が一変した模様だ。
 
 石油化学製品部門のマージンも厳しく、海外中心に手掛ける油・ガス田の開発事業も油価の値下がりは逆風。09年度に向けて収益環境はさらに厳しさを増していくとみられる。
【松崎 泰弘記者】

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