「ビットコイン=夢の通貨」は日本人の幻想だ 犯罪や規制の抜け穴として使われている

✎ 1〜 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 40 ✎ 最新
拡大
縮小
4回連続講義の第1回。テーマは「そもそもビットコインとは何か?」です(撮影:尾形文繁)
2017年もあとわずかです。金融関係で最もホットな話題だったのが、ビットコイン。恥ずかしながら木本も少し持っています。でも、実態のない仮想通貨がどうしてこんなに値上がりするかなど、本質の部分はハテナだらけです。『アフター・ビットコイン』の著者で、ビットコインバブルに警鐘を鳴らす、中島真志先生に詳しく聞きます。講義の模様は、4回に分けて4日連続でお届けします。

サトシ・ナカモトって何者?

この連載の過去記事はこちら

木本:実はいま、仮想通貨のことを猛勉強しているんです。そこで、『アフター・ビットコイン』が話題の中島先生に、ガッツリとお話を伺おうと思っております。

中島:私はもともと日本銀行におりまして、10年ほど前に日銀を離れ、国際機関を経て、現在は大学で教えています。資金決済や証券決済を研究していたのですが、ビットコインやブロックチェーンが、私の研究エリアに入ってきたので、フォローせざるをえなくなったというのが実態です。今回は、4つのテーマに分けて説明します。

木本:日銀でバリバリやっていて、つまりは銀行の中心にいらした方が、ビットコインを無視できない時代になっているということですね。

写真は11月9日、ラトビア・リガで撮影したビットコインのロゴ(写真:ロイター/Ints Kalnins)

中島:そもそも「ビットコインとは何なのか」から話を始めましょう。2008年にサトシ・ナカモトという人が論文を書きまして、それを基にできたのがビットコインです。

木本:日本風の名前ですが、日本人なんでしょうか?

中島:たぶん日本人ではないですね。英語で論文を書いていますが、どこの国の人かもわからない謎の人物です。本人が相当に巨額のビットコインを持っていて、一度も売ったことがないということはわかっています。

木本:ビットコインの大本がその論文から生まれたわけですね。

次ページ海外ではもっとイメージが悪い
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT