セミナーレポート

徳島ビジネスフォーラムin東京 地方創生・本格展開加速”光の国・徳島”

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LED関連企業、IT企業の集積が進む徳島県の企業立地優位性をPRする「徳島ビジネスフォーラムin東京」が、11月、東京・港区で開かれた。同フォーラムは毎年、東京と大阪で開催。立地企業講演や、知事からの県の取り組みの現状説明のほか、高速の光回線を生かしたサテライトオフィス、4K映像、LEDバレイ構想に呼応したLED関連企業の製品、阿波藍を使用した製品なども展示。交流会では、県内の食材を使った料理、UV-LEDの光を活用した酵母で発酵させた酒も供され、企業立地にかける徳島の熱い思いを伝えた。
主催:徳島県、公益財団法人とくしま産業振興機構
協力:東洋経済新報社
後援:一般財団法人日本立地センター、日本政策投資銀行四国支店、四国経済産業局

開会あいさつ

朝日 隆之氏/徳島県商工労働観光部 部長

徳島県の朝日隆之・商工労働観光部長は、LEDバレイ構想と高速光ブロードバンドを売りに、LED関連企業140社、IT企業を含めたサテライトオフィス56社が立地していると説明。今年7月に開設された消費者庁のオフィスにも触れて「新しい事業展開の際は、ぜひ徳島をフィールドにすることをお考えいただければ」とあいさつした。

LED関連企業による講演
LED応用ビジネス13年の軌跡

大栗 克俊氏/シナジーテック、光環境デザイン、オーゲツ代表取締役

シナジーテックなど3社を経営する大栗克俊氏は、LED照明を活用した3つの事業を紹介した。大栗氏は1988年に東京から徳島に帰り、ソフトウエア会社を立ち上げて独立。2004年のまちづくりイベントで、LEDイルミネーションを制作したのを機に「今までにないものを作る新産業を」とLED事業にシフトした。翌年からは、当時まだ珍しかったLEDのイルミネーションを東京ドームシティなどの依頼で制作。09年には、LED照明による植物栽培に着手。さまざまな作物で実験して栽培可能なことを実証してきた。15年には、地元の日亜化学工業が開発した植物栽培に適した光の波長のLEDと汎用品ラックなどを組み合わせ、コストを抑えた植物プラントを開発。無農薬でも虫がつかない強みを生かしてエディブルフラワー(食べる花)の栽培も手がけている。また、第3の柱として、名所の撮影の際に通常では不可能な角度からライトアップできるドローンライトを開発。幻想的な雰囲気を演出した祖谷のかずら橋などの写真を示して「夜間捜索など災害支援やトンネルなどのインフラ点検への活用も期待しています」と意気込んだ。

サテライトオフィスに関する講演
地方発信型の価値創造を目指して

大関 興治氏/セカンドファクトリー、ブエナピンタ 代表取締役CEO&CVO

東京のIT会社、セカンドファクトリーの大関興治氏は、子会社のブエナピンタが運営する「食のシェアリングエコノミー」をテーマにした施設「ザ・ナルト・ベース」の取り組みを紹介した。大関氏は、都市部に投資・情報が集中し、地方は単なる供給者となってしまう産地直送モデルに代わって、都市部と地方をネットワークでつなぎ、地方に投資するビジネスモデルを構想。交通アクセスに優れ、ITインフラも整った鳴門市にザ・ナルト・ベースを開設した。農家の規格外品も売り物にできるシェアードの農業6次化施設は、生産者の顔が見える安心安全な食材を調達したい都市部レストランにとっては、現地加工で仕込みの手間も減らせるシェアード・キッチンになる。ほかに、地産地消レストラン、サテライトオフィス推進に向けたコワーキングスペース等も併設。ITプラットフォームでは、生産者からの収穫情報を見て、レストランが注文できる仕組みを構築。将来は蓄積したデータからAIで需給予測をすることも視野に入れ、IT面を支えるサテライトオフィスも同市に開設した。「リゾートで働いている感じの徳島で仕事をするのも面白いと思う」と語った。

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徳島県商工労働観光部企業支援課
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