散々虐待された三女が祖母と母に下した復讐

女子高生は絶対君主が支配する家で殺害した

虐待がエスカレートするなか、周りに助けを求めることはできなかったのか。

弁護人:「親戚に相談することは」

長女:「祖母は親戚の悪口を言っており、連絡を取ることはできませんでした」

弁護人:「近所の人には言えなかったのですか」

長女:「以前、妹たちが相談しましたが、結局は祖母らに話が行って、ひどいことをされていました」

弁護人:「どんなことを」

長女:「『お前、よくもありもしないことをペラペラ言いやがって』と言って、風呂場で冷水をかけられたり、床下に閉じ込められたりしていました」

三女が高校に通い始めると、祖母らからの暴力は少しずつ減っていったという。三女の高校生活について、長女は「楽しそうで、友人にも恵まれていた」と話した。

検察官:「三女が高校生になって、祖母とはうまくいくようになったのですか」

長女:「三女は、(家の)仕事さえやれば何も言われないというのがわかってきていました。ただ、暴力や嫌がらせが全くなくなったわけではありません」

1人になってしまう!

では、三女の殺害動機は、どこにあったのか。

検察側は論告で、三女の殺意の直接のきっかけについて「親しい友人との関係から家を出たいという思いだった」と指摘した。

ちょうどそのころ、長女も自宅を出るという話が持ち上がった。

長女は高校を卒業後、医療福祉の専門学校を経て、近所の薬局に勤めていた。事件前、長女は男性との交際について祖母に相談。男性の職場の事情などから冬場は二人で札幌市中心部の近くに住みたいと伝えた。

弁護人:「祖母に何と言われたのですか」

長女:「何回も『出てけ』と言われました。月3万出せば、縁を切ってやると言われ、悲しくなりました。私はお金目的なんだと」

弁護人:「どう思いましたか」

長女:「もう何を言っても無駄だ。縁を切って、家を出て行こうと思いました」

弁護人:「三女のことは」

長女:「出て行ったら、三女は一人になります。家事や金銭面、二人の重圧がすべて行くと思いました」

検察官は三女の供述調書を読み上げ、その胸中を明らかにした。

長女に家を出たいと伝えられた三女は「『出て行ってほしくない』と思い、どうすれば一緒に住めるかを考えたが、思いつかず、沈黙が続いた」。そして、長女は三女に愚痴をこぼした。

「おばあちゃん、いなくなればいいのに」

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