横浜-桜木町「東横線」跡地整備はいつ終わる? 遊歩道になるはずが2021年まで先送り

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現在、工事が進められている桜木町駅―紅葉坂交差点付近の現場の様子も見学することができたので、その様子を含め、今後どのような遊歩道として整備が進められるのかについて、以下、リポートしよう。

レンガが敷き詰められた桜木町駅西口広場(筆者撮影)

まず、桜木町駅改札を出て西口側(みなとみらいと反対側)に出ると、一面レンガ敷きの広場として整備されている。これはレンガ造りの昔の横浜駅の駅舎をイメージしており、「鉄道の記憶を残す」施策によるという。ちなみに、東横線旧高島町駅付近には、1915(大正4)年に開業し、1923(大正12)年の関東大震災で焼失した「二代目横浜駅」のレンガ遺構が残っており、見学することも可能だ。

桜木町駅西口広場に隣接する遊歩道入り口付近に設置済みの階段とスロープ。未舗装の状態だ(筆者撮影)

レンガ敷き広場の北端に、工事用の安全鋼板により仕切られた資材搬入口があり、その向こうで遊歩道の工事が進められている。中に入ると、遊歩道に上る階段とスロープが造られており、街路灯や植栽スペースも一部設置されていた。さらに、その先には、紅葉坂交差点付近に架かっている、みなとみらい4号橋橋梁が見えてくる。

さらに、今回は足を延ばさなかったが、ここから1kmほど先には旧高島町駅のプラットホームがほぼ当時のまま残されており、「ホーム等については、残置する方向で検討している」(都市整備局)という。さらにその先は、横浜駅のすぐ手前まで高架が続いている。

遊歩道の路面は「線路」をイメージ

ちなみに、この遊歩道は工事が完了した区間から順次、一般供用を開始する計画となっている。今年度中の供用開始は難しそうだが、工事完了次第、桜木町駅―紅葉坂交差点付近をまずは開放する予定だ。その際、桜木町側から見てみなとみらい4号橋を渡った先に国道への昇降場所を設ける。同地点のほか、昇降場所は、横浜駅までの間の主要交差点や接続する駅付近など、複数の場所に設ける予定だが、具体的な数や、階段・エレベーターの双方を設置するかどうかなど、施設の詳細については検討段階だという。

なお、遊歩道の路面は未舗装の状態だが、今後、線路のバラスト(砂利)をイメージした舗装にするという。

ところで、この遊歩道は、当初、市民の意見を聞いた結果、「自転車も通れる遊歩道や駐輪場」として整備する計画だった。しかし、2015年、横浜市は計画を大きく変更し、「歩行者専用の遊歩道」とした。この理由について、都市整備局の担当者は次のように説明する。

「歩行者と自転車の接触事故が社会問題化し、国から自転車走行空間を車道に設置する方向性が示されたことなどから、現在は歩行者専用の遊歩道を整備する計画としています。この計画変更に関して、市民からの強い反対意見等はとくにありませんでした」(都市整備局)

たしかに、現地を見ると、遊歩道の幅は場所によって7~10mであり、植栽スペースや階段等の設置スペースなども考慮すれば、自転車と歩行者を安全に共存させるのは難しいのかもしれない。また、当初の計画には駐輪場としてのスペースの活用も含まれていたが、2013年に桜木町駅に新たな駐輪場が整備されたことも、反対意見が聞かれない理由として考えられる。

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