「高給子なし夫婦」ほど老後資金計画が必要だ 45歳から3600万円で生活水準は維持できる

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対策は大きく分けて2つあります。

1. 現役時代の生活水準を抑え、年金生活との落差を縮める
2. 年金生活での生活費を補填するために、貯金を増やす

それぞれについて説明していきます。

まずDINKsが踏み出さなければいけないステップは、「家計の切り詰め」です。そのために必要なのは「これから先、30年先、40年先もふたりで楽しく生きていくために、共同して老後資産形成に臨む」という意識の共有です。

老後計画は45歳で立て始めよ

DINKsは45歳を1つの目安として、ふたりだけで生きていくこれからの人生について話し合ってみてほしいと思います。今の生活のエンジョイについてはコンセンサスがとれていて、また住宅購入とローンの返済については夫婦で納得のいく分担が設定されていることが多いのですが、老後資産形成についてはなかなか意識が共有されていないものです。

「老後に住みたい場所」「定年後に行きたい場所」など最初は漠然としたイメージ共有でもかまいません。とりあえず60代も70代も一緒に楽しく暮らしていこう、というイメージは共有できるはずです。

それができると、そのためにおカネをどう貯めていこうかというステップにつなげやすくなります。しばしば「夫婦の片方だけが老後への危機意識があって貯めているが、パートナーは認識しておらずまったく貯金ゼロ」ということがあります。これを回避するためにも価値観を共有してみてください。

45歳からスタートさせるなら、老後に向けた最低目標は夫婦それぞれ「月5万円」の貯金です(どの口座に入金するかは後述)。そのためには家計を月10万円下げる必要があります。無制限に服を買ったり、予算をまったく気にせずお酒を買ったりするのは一度やめてみてください。利用していない月会費のようなものも退会してその分を老後の貯金原資にします。少し気をつければ夫婦それぞれ数万円は切り詰められるはずで、本気を出せばもう少し削れるはずです。

毎月で5万円を削るのが難しい場合は、ボーナスからの散財を減らしてボーナスから割り振ってもいいでしょう。ボーナスごとに散財を6万円減らせば、月1万円の貯金になるからです。DINKsはボーナスもダブルでもらっているため、ボーナスを貯蓄ペースを上げるエンジンとしても活用したいものです。

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