いよいよバブルは「終わりの始まり」なのか 米国ハイイールド市場の不気味な兆候とは?

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2016年初頭にも米国ハイイールド市場は暴落したが、その時は原油価格の下落によって石油開発会社のデフォルトが発生したことがきっかけだった。米国ハイイールド債には石油開発会社系の銘柄が多く含まれていたこともあり、この時も因果関係がはっきりしていた。では当時と今とではどこが違うのだろうか。

こんな書き方はプロらしくないのであるが、クレジット(信用)の売り買いをしている筆者としては、どうも気持ちが悪いのである。はっきりとした理由がないのに市場が下げ始めるときには十分な警戒が必要だ。

中国経済の本当の姿はわからない

この気持ち悪さの源泉は、ずばり中国である。中国に関しては、規模としてとてつもないサイズで物事が進行しているが、本当の姿は外部にはまったく伝わってこない。不良債権の額も場所も程度も本当のところはわからないのである。それでも規模が巨額であることはわかっている。ここには大きな闇があると多くの市場関係者が思っていることも事実である。

たとえば、民間貸出とGDP(国内総生産)を比較してみると、今の中国のように、貸し出しの伸び率がGDPの伸び率を大きく上回るときにバブルが崩壊することは歴史の中の多くの出来事が証明している。

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