【産業天気図・精密機器】08年度から来年度前半は曇天模様が続く。為替は想定よりも円安進行でプラスだが、市況回復の見通し立たず

予想天気
 08年10月~09年3月   09年4月~9月

精密業界は2008年度後半、09年度前半と引き続き曇天状態が続きそうだ。為替に関しては目下、多くの企業が期初に想定していた100円前後よりも若干円安に進行しており、営業利益の上積み要因となりそう。だが、関連市場の景況感はこの3ヶ月の間にも一層悪化しつつあるもようで、楽観視できない状況が続きそうだ。
 
 デジカメ業界では一眼レフカメラは依然好調。カメラ映像機器工業会(CIPA)の統計では、全世界の出荷総額は今年1~7月の累計で前年同期比26.9%の大幅増。ボディ価格が4~8万円程度と手ごろなエントリーモデルで拡大が続くほか、キヤノン<7741>、ニコン<7731>などはより本格的な中級機種の拡充を進めている。08年度下期以降も当分は高成長が続きそうだ。
 
 一方、コンパクトデジカメでは各社の市場在庫が飽和気味で、10~15%程度の大幅な価格下落が進んでいる。この影響を受け、富士フイルムホールディングス<4901>は8月末に今期の業績予想を下方修正した。キヤノンも08年6月中間期発表時に今08年12月期のカメラ事業の営業利益計画を、前回予想の3081億円から2971億円へと下方修正した。為替の影響もあり、これでキヤノンのカメラ事業は営業利益前期割れとなる(前期実績3074億円)。
 
 事務機業界も北米および国内で顧客企業の設備投資抑制が進み、打撃となっている。昨年米ゼロックスが北米大手販社を買収したため、富士フイルムホールディングス傘下の富士ゼロックスだけは北米向けが好調に推移した。だが、キヤノン、リコー<7752>、コニカミノルタホールディングス<4902>など、その他の事務機メーカーは軒並み停滞している。特にリコーは、08年4~6月期の米州地域が1200万円とわずかながら営業赤字になった。そのリコーは約1700億円を投じ、世界最大の独立系事務機販売会社アイコン社買収を発表。もともと苦手としている北米地域のてこ入れを、巨額買収に託す。
【桑原 幸作記者】

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