日経平均は続伸、買い一巡後は伸び悩み 先高感は引き続き強く、内需株への期待も

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 11月22日、東京株式市場で日経平均は続伸した。前日の欧米株高を受けて、東京市場にも海外勢の資金が流入した。世界景気の拡大期待が強く、自動車、ハイテクなど外需株のほか、機械、鉄鋼などの景気敏感セクターが集中的に物色された。写真は2016年11月、都内の株価ボードの前で撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 22日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。前日の欧米株高を受けて、東京市場にも海外勢の資金が流入した。世界景気の拡大期待が強く、自動車、ハイテクなど外需株のほか、機械、鉄鋼などの景気敏感セクターが集中的に物色された。ただ、祝日前で利益確定売りも多く、買い一巡後は伸び悩んだ。

TOPIXも続伸し、0.34%高で取引を終えた。東証1部の売買代金は2兆7064億円。セクター別では石油・石炭が上昇率トップだった。機械、鉱業、銀行、証券がこれに続いた。半面、食料品や小売などのディフェンシブ系は軟調だった。下落率トップは水産・農林だった。

ハイテク関連など朝方に買われたセクターも、後場にかけて伸び悩む動きとなった。「全般的に材料があまりなく、上値を追いにくい」(証券ジャパンの調査情報部長、大谷正之氏)との声が聞かれた。祝日を前にしたポジション調整売りも重しになった。

もっとも、日本株の先高感は引き続き強いとみられている。米株高の背景には年末商戦への思惑もあるとして「(日本の内需株も)年末商戦を通じて見直されるかもしれない」(国内証券)との見方も聞かれた。日経平均は17日の戻り高値(2万2757円)を抜ければ、上昇に勢いが付きそうだとの指摘もあった。

個別ではTDK<6762.T>が大幅高となった。世界初の充放電可能なオールセラミック固体電池「セラチャージ」を開発したと発表したことが好感された。一般的な電池に用いられている電解液を使用せず、セラミック固体電解質を介して充放電を行う。火災や爆発、液体電解質の漏出などのリスクがなくなることから「IoT」向けの利用が想定されている。

一方、日本ペイントホールディングス<4612.T>が続落した。同社が米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズ<AXTA.N>に対し、全額現金での買収を提案したことが関係筋の話で明らかになった。買収提案ではアクサルタ株の20日終値にプレミアムが乗せられているという。海外企業の買収に伴う財務面での負担を懸念した売りが先行したと見られる。

東証1部の騰落数は、値上がり1062銘柄に対し、値下がりが868銘柄、変わらずが108銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     22523.15 +106.67

寄り付き   22601.55

安値/高値  22513.44─22677.34

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1777.08+5.95

寄り付き     1782.39

安値/高値    1775.58─1785.19

 

東証出来高(万株) 160339

東証売買代金(億円) 27064.31

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