あのサイゼリヤ、新業態「500円パスタ」の正体 「テイクアウトできるスパゲッティ」の魅力

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そのほか午前7時~11時のサービスとして、野菜と豆乳のポタージュスープの提供を開始し、ヘルシー路線を強調している。定番のコーンポタージュと、月~金の日替わりで5種類を用意。スープだけで200円、パンとのセットで280円と、朝食には手頃な価格だ。

「体に優しい、クセになると反響は上々です。やはり女性が80%。逆に男性では、健康志向の強い方が利用されているということでしょうね」(千代川氏)

これまでに日本橋茅場町店、末広町店、芝浦シーバンス店の3店舗を展開。それぞれ客層が異なるが、オフィスビルの一隅にある芝浦シーバンス店は、席数90に対し、日に400人程度の客入りがあり、そのうち320~330人程度がランチ時間に集中する。女性の利用率が50%と、狙いどおりの結果だという。

ランチ時間に集中する客を100%取り込むため

またテイクアウトできることが同チェーンの大きな強みだ。芝浦の店舗ではテイクアウト率が40%ほど。ランチ時間に集中する客を100%取り込むために、今後さらにこの数字を伸ばしていきたいという。そのために不可欠なのがスピーディな提供だ。

券売機外観デザインやメニュー画像などにも気を使った(筆者撮影)

そこでマリアーノでは、スピード化、オペレーション効率化策として、タッチパネル式券売機による注文方式を導入。

「女性では使い慣れていない人が多いのではと懸念していました。また、殺風景な感じになってしまわないよう、券売機外観デザインやメニュー画像などにも気を使いました。結果、違和感なく受け入れてもらえたと思っています」(千代川氏)

注文の流れとしては、券売機で好みのメニューを選択、セルフ方式の飲み物を用意している間(セットメニューの場合)に、カウンターからスパゲッティとサラダが提供されるという具合になっている。行列さえなければほとんど待ち時間はない。

ただ、このムダのないオペレーションも、最初からできあがっていたわけではない。

「料理の提供の仕方など、一つひとつにおいてボトルネック(作業を滞らせてしまう要因)を分析していきました。スタッフの技量にかかわらず同じタイムで提供できるようシステム化しています」(千代川氏)

実際には、ランチ時には長い行列ができるので、並んでから食べ始めるまでに10分程度というところだろうか。ただテイクアウトの客にとって待ち時間は長い。並ばずに済むためのもう一工夫が必要なのかもしれない。

なお芝浦店では電話予約も可能なので、ランチ時間前に予約しておくとよい。

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