上智の理工に「グローバル教育と研究力」あり 学生も教授も研究に没頭できる環境がある

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このアピールが功を奏し、11月には、産業経済誌『日刊工業新聞』に物質生命理工学科の陸川政弘教授らと技術研究組合「FC-Cubic」の研究グループの研究内容が掲載された。燃料電池の高効率化、高出力につながる技術とあって、燃料電池自動車の本格普及に向け、早くも反響を呼んでいる。

産官学連携や特許出願は大学がバックアップ

女性研究者や女子学生のキャリア形成支援にも力を入れている上智大学。理系の学部は男子学生ばかりのイメージがあるが、理工学部の中でも物質生命理工学科では約半数が女子学生。さらに、女性研究者の活躍も目覚ましい。

物質生命理工学科で教鞭をとる齊藤玉緒教授もその一人だ。齊藤研究室では、土壌に住む微生物が作る化学物質や、その化学物質を介した微生物のコミュニケーションに関する研究を行っている。齊藤教授は、土壌に住む微生物の細胞性粘菌が農作物を荒らす害虫に対して忌避物質を分泌していることを発見。この忌避物質を使って害虫を抑制し、農作物を守る植物保護資材の開発を目指し、化学メーカーのパネフリ工業株式会社との共同研究を進めている。

上智大学理工学部
物質生命理工学科
齊藤玉緒 教授

今でこそ順調に研究を進めているが「共同研究の実現は、学内に設置されている研究推進センターのバックアップがあったからこそ」と齊藤教授は語る。同センターは、教員や学生の研究活動を支援し、産官学連携をはじめとして研究成果を広く世に還元することを目的とする組織だ。

「同センターのコーディネーターに研究内容の話をしたところ、『科学技術振興機構の新技術説明会に参加してみないか』と誘われました。その説明会で研究内容について発表した結果、複数の企業が関心を示してくださり、パネフリ工業さんとの共同研究が実現したんです」(齊藤教授)

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