半チャンラーメンが静かに衰退している理由

神保町の「さぶちゃん」が閉店、町中華の苦悩

黒いチャーハンが人気の「京紫灯花繚乱」(筆者撮影)

「半チャンラーメン」も例外ではない。庶民の味方である「半チャンラーメン」を1000円以上にするのはまずニーズに合わない。提供しているお店もこの値付けはかなり苦労している。京都系の黒いチャーハンが人気の「京紫灯花繚乱」(四谷)は990円、博多豚骨ラーメンの「博多だるまJAPAN」(みなとみらい)も990円だった。ギリギリ1000円以下を保っている状態なのだ。

糖質制限食ブームに逆行する「炭水化物+炭水化物」

2つ目の理由は現在の健康志向に合わないということだろう。ご飯やパン、麵類など糖質の摂取を控える「糖質制限食」がブームになる中で、ラーメンにチャーハンという「炭水化物+炭水化物」を組み合わせる「半チャンラーメン」は、それに逆行する。カロリーも糖質もたっぷり摂ってしまう「半チャンラーメン」は、近ごろのラーメン店や中華店が取り込みに腐心する女性客への売りにはなりにくい。

「半チャンラーメン」は、お店にとっての悩ましいメニューだった?(筆者撮影)

最後の理由はつくる作業に手間がかかることだ。中華そば+半焼飯のセットを出している「京紫灯花繚乱」の川瀬裕也店主が言う。

「チャーハンは、『厨房で鍋を振るう』というラーメンにはない工程が一つ加わります。1杯のチャーハンを作るならまだしも、半チャーハンとなると工程的に結構大変な部分が多いです。通常のお店だとやはりご飯ものは手間の少ないチャーシュー丼などを選ぶことが多いでしょうね」。価格を上げられないうえに工程が増えてしまうのが、お店にとっての悩ましさなのだ。

半チャンラーメンの起源には諸説あるものの、実は「半ちゃんラーメン」(「ちゃん」はひらがな表記)は、大手チェーンの「幸楽苑」が商標登録している。幸楽苑のウェブサイトによれば、「半ちゃんラーメン」のネーミングは、現社長の新井田傅氏が郡山市に出店した当時、麻雀帰りのお客の会話がヒントとなり生まれたという。「半荘(はんちゃん)」という言葉からインスパイアされ、幸楽苑がメニューとして発案したと明記されている。

町中華の凋落とともに、「半チャンラーメン」は「幸楽苑」の独壇場になってしまうかもしれない。

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