日本株は年末高に向けてちょっとひと休み 「新値ひと呼吸」相場という言葉を覚えよう

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今から日本株を買っても大丈夫か。年初から「2017年の日経平均2万3000円以上」を予想していた筆者はどう見ているのか(写真:farmer / PIXTA)

日本株はいま典型的な「新値ひと呼吸」相場となっている。なにせ、10月、11月は16連騰を含む怒涛の上昇だったからだ。

「新値ひと呼吸」は「年末高へのひと呼吸」

新値ひと呼吸とは、若い個人投資家には耳慣れないかもしれないが、相場にはよくある「高値を取った後の下げ」を表す相場用語である。ここでいう新値とは、日経平均株価でいえば平成バブル後の戻り高値1996年の2万2666円や、史上最高値である3万8915円と2009年の安値の半値戻しである2万2985円をとってきたことを指す。またTOPIX(東証株価指数)で言えば、長い間抜けなかった、1800ポイントを超えたことを指す。

新値ひと呼吸という表現は、最近はあまり使われなくなってしまった。だが、これは主に上昇相場の途中に出る現象であり、「ひと呼吸入れた後、再び上昇する」という意味合いを含む。

事実、このひと呼吸の最中も、企業業績の通期上方修正は粛々と積み上がった。10月初めに1410円だった日経平均EPS(1株当たり利益)は直近11月17日には過去最高の1534円まで上昇している。

当然、急騰後の調整という、若干トリッキーな局面でも日経平均のPER(株価収益率)は14倍台半ばに過ぎない低水準だ。おそらくこの「日経平均EPS1500円乗せ」は、10-12月期の結果とともに、通期上方修正続出をイメージに、年明け以降の第3四半期を迎えてからになると多くのアナリストは想定していたのではないか。つまり、企業収益の回復・改善は完全に四半期早まったと言える。

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