歯を失って困っている人に教えたい最新事情 インプラント治療の現実を知っていますか

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上顎の骨が薄くなってしまってインプラント治療を行えない場合、次の2つの処置が可能です。

(1)ソケットリフト

上の奥歯の骨は鼻の空洞の副鼻腔の近くにあります。上の奥歯が失われると、副鼻腔の内圧によって副鼻腔が 広がり、顎の骨が薄くなってしまいます。ソケットリフトは、骨が薄くなりこの副鼻腔(上顎洞)までの距離が短く、インプラントを打つことが困難な場合に用いられる治療です。

歯周病や歯の喪失などが原因で顎の骨が必要以上に痩せている場合、インプラント治療が難しいため、この手法を使用することが必要になることがあります。

骨の厚みが3mm程度の厚みが残っていれば、インプラントを入れるために開けた骨の穴から人工の骨を入れて骨の高さを作る方法で、インプラントを入れると同時に骨を作る処置を行います。

人工の骨を入れてインプラント治療を可能にする

(2)サイナスリフト

上の奥歯の骨が薄くなり副鼻腔との距離が2mm以下の場合、骨の量が少なくインプランの固定が難しいため、先に骨を作る処置をしてからインプラント治療を行います。

骨の横から穴を開け、人工の骨を入れて、インプラントに必要な10 mm程度の骨の高さを作ります。

骨の形成には、通常であれば半年から1年程度の期間が必要で、治療期間が比較的長期になることが予想されます。

通常は顎骨が薄く、治療が不可能だったインプラントの使用を可能にする治療法です。

しかし、デメリットとして、ソケットリフトに比べて腫れやすく、痛みも出やすいため患者の負担が多くなってしまいます。

一方、骨の厚みや高さを出す場合、主な治療法は次の2つです。

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