「高血圧」が引き起こす突然の病 30代・40代こそ気を付けたい

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こんなに恐ろしい病にもかかわらず、自覚症状がないために、健康診断で高血圧と言われても放置してしまう人が多い。忙しい働き盛り世代であればなおさらだ。実際、医療機関や健診で高血圧と言われたことのある人の中で、継続的に治療を行っている人の割合は、男性で66.2%、女性で74.4%と決して高くない。30~49歳に限ると、男性では28.0%、女性で29.2%とぐっと低くなる(厚生労働省の「平成22年国民健康・栄養調査」)。治療を受けずとも、生活習慣を改善するなど何らかの対策を講じていればまだいいが、それすらしていないとなると、動脈硬化、そして脳・心血管疾患などになるリスクは年々確実に高まっていくはずだ。

血圧予防、まずは血圧の変化の見える化から

高血圧の原因として、最初にあげられるのが塩分の摂り過ぎである。そのほかにも加齢やストレス、運動不足、アルコールの過剰摂取などでも高血圧は進行する。30代~50代は働き盛りであるがゆえにストレスも多くなりがちだし、外食が多くなって塩分の摂取量も増えがちだ。忙しさにかまけて運動は不足し、ストレス解消のためにアルコールの摂取量も増えるとしたら、高血圧はますます悪化していくに違いない。

では、そんな働き盛り世代はどうすればいいのだろうか。生活習慣を改めるのはもちろん、自分の血圧を知ることが大事である。血圧は、気温や室温、食事や運動などの影響を受けても変動する。そうした1日の中での血圧変動は、血圧日内変動と呼ばれている。だから日常的に、できれば毎日、血圧を測るようにすることが重要になる。

体重を毎日測定していると、無意識のうちに食事に気をつけるようになり、ダイエットや健康増進に効果があると言われる。それと同じように毎日血圧を測っていると、何をすれば血圧が上がり、何をすれば下がるかという傾向がわかり、血圧が上がらないよう気をつけるようになる。高血圧は自覚症状が見えにくい。ならば、その敵(高血圧リスク)を見える化すること。高血圧予防のスタートは、そこから始まるのではないだろうか。まずは下記のチェックリストで、自身の高血圧危険度をチェックしてみよう。

高血圧危険度チェックリスト

自分にあてはまる項目をチェックしてみよう

食生活編

1 濃い味付けのものが好きだ

2 めん類の汁が好きでよく飲む

3 外食が多い(週に4回以上)

4 お腹いっぱいになるまで食べる

5 野菜はあまり食べない

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