希望の党は「玉木共同代表」で何が変わるか 「さわやかにスポーティにいきたいと思う」

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これについて大串氏は、「当初の政策協定書には『安保法制を容認しない』と書かれていたが、後で修正してその文言は消えた」として、持論が希望の党の基本方針と矛盾しないことを強調。実際に当初作られた「8項目政策協定書」にはその第2項で「限定的な集団的自衛権の行使を含め、安全保障法制を基本的に容認し、現実的な安全保障政策を支援すること」と記載されていたが、後に「現実的な安全保障政策を支持する」に修正されてはいる。

よって「安保法制を容認しない」と主張しても、政策協定書に矛盾するわけではないという論理が成立するというのが大串氏の言い分だ。

玉木氏は「憲法改正議論は必要」

一方で玉木氏は「憲法改正議論は必要」として9条を議論の対象から除外することを否定しつつも、「地方自治や解散権の縛りの問題など、優先すべきものがある」と、9条改正を否定する大串氏に一定の配慮を払った。また安保法制についても、「現実な外交安保」を提唱しながら、「(現行の)安保法制といっても、10本以上の法律で構成されている」「問題のある箇所は見直していくべきだ」と柔軟な姿勢を見せた。

代表選に勝つばかりではなく、その後で選挙で分断された各陣営をどのように懐柔するのかが共同代表の大きな責任になる。分裂していてはかえってマイナスだ。よって玉木氏の言葉には、小池百合子代表やその側近の思惑に反発する勢力をなだめ、とりこんでいこうという努力が伺えた。

そのためだろうか、午後に開かれた玉木陣営の代表選勝利の報告会では、玉木氏の口からは明るい言葉が発せられている。

「さわやかにスポーティにいきたいと思うので、みなさん頑張りましょう」

しかしその思惑通りに進むのか。玉木氏が53票中の39票を獲得したということは、全体の7割強を占めることになる。だが前述した通り、チャーターメンバーのひとりは「4対1以上で勝たなくては意味がない」とまで言っている。玉木氏の得票数では、全体の8割に満たないのだ。

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