立憲民主党の枝野代表、「アイドル論」を語る 「欅坂46の同調しない反骨心に共鳴した」

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アイドル論を語らせたら止まらない、立憲民主党の枝野幸男代表(CDなどは編集部が用意したもの。撮影:尾形文繁)
先の衆院選で野党第1党に躍り出た立憲民主党。同党の枝野幸男代表はアイドル好きとしても知られている。いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループ、欅坂(けやきざか)46の『不協和音』は、枝野氏の愛唱曲だ。最近この曲の歌詞が、民進党分裂から立憲民主党結党に向かう政局を”予言”したものだったと、報道関係者やネットユーザーの間で騒がれた。
「ここで同調しなきゃ裏切り者か」
ほかにも多くのフレーズが当時、前原誠司民進党前代表が進めた希望の党への合流に焦燥していた、枝野氏の立場や心境にピタリと符合するというのだ。
10月2日に産経ニュースが報じたところによれば、同月1日、前原氏の真意がつかみきれずに疲労困憊していた枝野氏は、「1人カラオケに行きたいよ。『不協和音』を歌うんだ」と、記者たちの前でつぶやいたという。まるで、自分の気持ちはこの歌と同じだ、と暗示するかのような口ぶり。はたして、どれくらい意識していたのか。直接本人にインタビューした。

「僕は嫌だ」と言うべき相手は安倍首相

――『不協和音』を歌いたい、とつぶやいた真意は何だったのですか。

エレベーターの中で記者に取り囲まれたときに、何にも考えないまま独り言として自然に出たんですよ。本当にただ歌いたかったので。歌詞とのリンクは何も考えなかった。でも、すぐに気付いて政治的に使われてしまうな、とは思いました。やはり一部の記者は反応して(選挙報道の新聞記事やテレビ番組でも取り上げられた)。だからあれから歌いにくくなっちゃったんですよね。

――本当でしょうか。歌詞の「僕は嫌だ」の部分は、前原さんに対する心の叫びとしてはピッタリ。その後、前原さんらと袂(たもと)を分かち、立憲民主党を結党した行動とも一致します。

僕が「僕は嫌だ」と言うべき相手は、安倍(晋三)さんの政治ですから(笑)。「(欺きたいなら)僕を抹殺してから行け!」って、突き付ける相手も安倍首相です。2014年の衆院選では、民主党幹事長だったこともあって、(小選挙区で枝野氏を落選させようと)与党側から狙い打ちされました。安倍首相や自民党幹部が連日、大宮駅で対立候補の応援演説に来ました。僕は”抹殺”されそうになったんですよ(苦笑)。そのときのことを思い浮かべながらこの曲を歌っている。

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